第508話3人による問い詰め
家に帰ると、初音に何かを言われる前に結愛たちに問い詰められた。
「そーちゃん、レンタル彼女ってどういうこと?」
「お兄様、レンタル彼女とはどういうことでしょうか」
「先輩、そんなに女に飢えてるならどうして私のこと襲ってくれないんですか」
最初の2つはごもっともな疑問だとして最後の1つは明らかにおかしいから無視で安定だな。
「ち、違う、じ、実は間違えてレンタルしちゃって─────」
「ちょっとせんぱ〜い、嘘つくにしてももうちょっとマシな嘘ついてくださいよ〜」
「う、嘘じゃない!っていうか初音っていう彼女がいるのにレンタル彼女なんてレンタルしたらどうなるかぐらいもう長い付き合いだからわかってるに決まってるだろ!普通なら絶対にレンタル彼女なんてレンタルしない」
はぁ・・・本当にあの時あのワンタップさえしなければこんなことにはならなかったのに・・・あぁ、あの時の俺を殴ってでもあのワンタップを阻止できるなら阻止したいな・・・これが本当に後悔しているということなのだろうか。
「お兄様・・・」
「うっ・・・」
霧響から憐れむような目を向けられている。
・・・妹にレンタル彼女を隠れてレンタルしていたとバレて憐れむような目を向けられてしまうとは・・・なんていうか、もう哀れすぎる。
「さ、さっきも言ったけど間違えてだからな・・・・」
「私は別に怒ってなんていませんよ、間違えてということでしたら人間誰にでも一度は過ちや後悔するようなこともあると思いますから」
「そ、そうか、それはよかっ─────」
「ただ、なぜそれを相談しなかったのかは浮気を疑われても仕方ないですね」
「・・・・・・」
やっぱりそこか・・・いやいや、でももし言ってたら俺は血祭りになってたはず・・・まあ今回一番悪いのは明らかに俺なわけだけど・・・
「そーちゃん・・・あの女に愛想尽かすのは良いことだけどレンタル彼女なんてするぐらいなら私でもよかったんじゃないかな?」
そういう問題じゃ無いだろ、と言いたい気持ちをぐっと抑える。
「そーくんまた私以外の女と話してるね、反省する気ないの?」
「い、いや!あ、あります・・・」
「じゃあ、2人でそーくんの部屋、行こっか?」
「え〜私たちも行きたいですよ〜」
初音はそれを無視して俺のことを無理やり俺のことを入れて、初音も後から入ってこようとした────が、結愛がドアを閉じられないように自分の足を挟んだ。
「っ!」
初音はドアを力任せに閉めようとするも、結愛は引かない。
「邪魔!今からそーくんに色々吐いてもらわないといけないんだから!」
「自分がそーちゃんに愛想つかれちゃったからってそーちゃんに八つ当たりしないでよ!愛想つかれて当たり前、むしろ今までが異常だったんだから!」
「え、別に愛想つかしてなんてな──────」
「そーくんが私に愛想なんて尽かすわけなんてないでしょ?今でも私への愛が溢れちゃってその溢れた愛の雫をウイルスとか淫乱女が拾ってるんでしょ?だからそーくんが浮気しちゃうの」
「違うよ、そーちゃんは私に愛を渡そうとなんとか虫から逃れて私に愛を渡そうとしてくれてるの、それが虫の言う溢れた愛ってこと」
「可哀想、そーくんからの愛を寵愛できなかったからってそんな風にご都合解釈してるんだね、そーくんが私以外の女を愛するなんてあるわけないのにね・・・ねっ、そーくん?」
「え、あ、はい・・・」
この2人が話してる時は俺に発言権、もとい人権がなくなるんだよな・・・
そして初音は一度自分も外に出て結愛のことを完全にドアから遠ざけた後、すぐに俺の部屋に戻ってきて鍵を閉めた。
外では結愛が喚き散らしているが霧響が宥めている声が聞こえる。
「じゃあそーくん、吐いてもらうよ?」
さあ・・・地獄の始まりだな。
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