第505話首輪
「な、なんだっ・・・?」
首に何か違和感を感じた俺は、首回りを触ってみる。
「え・・・」
な、なんかが付いてる・・・?
「な、なんだこれ・・・」
「・・・首輪」
「は、はあ!?」
首輪!?
俺はこの少女の方を向いてその手を見ると、少女はリードのようなものを持っていて俺の首についてるらしいリードと繋がっている。
「な、なんで首輪なんて持ってるんだ・・・じゃなくて、外してくれ!」
こんなことしてる場合じゃない、本当に初音に殺される・・・いや、初音だけじゃない。俺がレンタル彼女をレンタルしたなんて知ったらあゆはともかく結愛も霧響も絶対に怒る・・・
「帰ったら死ぬなら、帰らなかったらいいじゃん」
「いやいやいや!今帰ったらもしかしたら生き残れるかもしれないんだ!」
「だ、だから、そんな命の危険に関わるんなら帰らなかったらいいじゃんって」
「さっきも言ったけど恋人なんだ、そういうわけには─────」
「そんな彼氏を殺すなんて言ってる危ない女なんて早めに切っちゃった方がいいって、そういう女気持ち悪いし」
この人の暴言というか蔑視というかは男性だけじゃなくて同性にも及んでるのか・・・
「いや、でも・・・ちょっとおかしなところはあるけど基本的には良い彼女なんだ」
「そんなやばい女でも付き合い続けたいって・・・そんなに女に飢えてんの?キモいんだけど」
一つ年上の女性にこんなにもキモいを連発されているのは俺ぐらいなものだと今切実に思う。
「べ、別に飢えてるわけじゃ・・・って、それより早くこの首輪を────」
「試しにその地雷女と別れて私と付き合ってみる?別に私はどっちでもいいけど」
地雷女って・・・どの口が言って────って、は?
「つ、つつつ付き合えるわけないだろ!?」
「うっわ、何その反応、キモいんだけど、ほんとに彼女いるの?もしかしたら全部あんたの妄想とかなんじゃない?」
「そんなわけないだろ!」
「はいぃぃぃ、そんなわけないですぅぅぅごめんなさいぃぃい!!」
「え、あ、ご、ごめん」
なんかそんなに謝られると俺が悪いことをした気分になって罪悪感が生まれてくるな・・・
「でもさ、実際そんな怖い彼女なら別れちゃっても良くない?」
「だ、だめだ・・・」
「なんで?」
やっぱり何もわかってないな・・・いやまあ実際に初音と会ったこともないんだから当たり前と言えば当たり前だけど・・・
もし別れたりなんてしたら今度こそ殺されてしまう。
前初音はそもそも別れたという認識がなかったらしいからなんとか俺の命も繋ぎ止められてるけどもし今度正式に別れたら本当に俺の命はそこまでだ。
まぁ、別に死ぬのが怖いから別れたくないってわけじゃないけどな・・・
「色々あるんだ・・・」
「・・・でもさー」
そう言って少女は手に持っているリードをくいっと自分の方に引っ張った。
「うわっ、あぶなっ・・・!な、何するんだ!」
「私がリードしてる限り行けないよ?」
「いや、じゃあリードやめてくれ」
「無理」
「はあ!?なんで─────」
「そーくん」
「えっ・・・」
俺が少女に抗議しようとしていると、横から俺が今一番聞きたくない・・・いや、聞いては行けない声が聞こえてきた。
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