第502話Sは打たれ弱い?
「・・・お、落ち着いたか?」
「別に、落ち着くまで待っててなんて言ってないんだけど、キモッ」
「えっ!?帰ってもよかったのか!?」
それならお金だけ渡して帰ればよかった・・・他の女子と一緒にいても正直俺からしたら地雷でしかないし、この人も俺と一緒にいるの嫌そうだし、すぐにでもお金を払って家に帰ろう。
「そうは言ってないでしょ・・・」
「と、とにかく、俺はお金を払うから─────」
「ねぇ、なんで私に口答えできたの?」
「・・・え?」
この少女は本当に疑問そうに聞いてくる。・・・え?
「いや、なんでって・・・ちょっと態度が高圧的だったから、怒って・・・としか言えない」
「・・・大抵の男なら私に口答えなんてせずにまずご機嫌取りから始めるのに」
なんだそれは・・・いつの時代の話だ。
「だから私怒鳴られるのとか慣れてなかったんだけど」
ああ、それでさっきあんなに態度が急変してたのか・・・それにしても急変しすぎだろ。本当に二重人格を疑った・・・
「ま、まぁ、とにかく、お金は払うから、もう帰ってもいいか?」
「え、ちょ、それ本気なの?なんで帰っちゃうの?」
「なんで帰っちゃうのって・・・実は俺間違えてこのレンタル彼女でレンタルしちゃったんだ、だから早く帰りたい」
「え、じゃあ用事っていうよりかは元々私になんの用もないのに私のこと呼んだってこと?マジ?」
「・・・マジ、だから俺はお金だけ払って帰る、それでいいだろ?」
俺は財布からお金を取り出して渡そうとするも・・・
「ちょ、いらないって、それ受け取ったら帰るんでしょ?」
「当たり前だろ!そもそも俺はこんなことしてたら命の危機なんだ!良いから早く受け取ってくれ!」
「ひぃぃっ、ご、ごめんなさいぃぃ、っ!何これ・・・なんか、癖になっちゃう・・・!」
「ちょっ!何言ってるんだ、良いから早くお金を────」
「うわっ、キョドってるしっ、キモッ、だから彼女いないんじゃないの?」
本当に変わり身の術が早すぎて逆に尊敬できるレベルだな・・・っていうか。
「彼女がいるから早く帰らないといけないんだ!だから早くお金を────」
「えっ、彼女いるの?」
「そ、そうだけど・・・それが?」
「・・・へぇ〜、彼女いるんだー」
な、なんなんだ・・・な、なんか寒気が・・・
「彼女、私より可愛いの?」
「え────」
「どうなの?」
「・・・お、同じくらいだ」
認めたくないけどこの人は見た目だけで言えば本当にトップクラス、つまり初音クラスだ。
「・・・別にあんたのこと好きか嫌いかで言えば嫌いじゃないから、ちょっとあんたの家行ってもいい?」
「ダメに決まってるだろ!」
「は、はいぃぃぃぃぃぃ、も、もっと、もっとぉぉぉぉぉぉ〜!」
・・・なんていうか、これがSは打たれ弱いというやつだろうか。
あんまりこういう下な表現は好きじゃないけど、この人はSとMの両方を兼ね備えてるな・・・
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