第494話お兄様の遺伝子
「え、ちょっ、は!?は、孕むって・・・な、何言って────」
「私が子供さえ成してしまえば例えお兄様が私と婚約したくないとおっしゃってもお兄様はきっと私と婚約してくださるはずです・・・もし子供を成した私をお兄様が捨てた場合、お兄様はきっと罪悪感が勝ってしまうはずですから・・・」
確かに例え相手が妹だとしても子供ができてしまった霧響を捨てる・・・っていうのはちょっと言い方が悪いにしろ離れることは精神的に無理だな・・・でも。
「そ、そんな理由で俺と一緒にいても多分楽しくないと思うんだ」
「楽しいという一端の感情の話なんてしていません、お兄様と一緒にいるという事象が大切なんです」
「事象・・・?」
「・・・お兄様に言ってもわからないかもしれませんが、とにかく、私と子を成していただきます」
「だ、だからダメだっ─────」
「強引にでもお兄様の遺伝子を頂きます」
ま、まずいまずいまずい。
この感じは非常にまずい・・・俺がそんなことを思っている間にも、霧響が俺の下着を少しずつ下に下ろしていく。
・・・そろそろ右足だけはちょっと抵抗できるかもしれない、霧響は俺の足がちょっとも動くとなんて思ってないだろうから不意打ちなら抵抗するだけのダメージは与えられるかもしれないけど・・・妹に暴力を振るうのはなあ・・・
俺は霧響の肩を握りながら言う。
「ま、待て霧響、そ、そうだ!そういえば6月に入るぐらいの時に一旦別れるからって指輪くれただろ?あ、あのお礼を何かしたいんだけど何か欲しいものとかあるか?」
これで少しでも霧響の気を逸らせれば・・・
「そういうことでしたらお兄様の遺伝子が欲しいです、なので抵抗せずにできれば喜んでいただければ嬉しいです」
あぁ・・・そうだった。むしろ霧響のサポートをするようなことを言ってしまった・・・
「そ、それ以外で何か無いか・・・?」
「ありません」
「ほ、ほら、服が欲しいとか」
「要りません、そんなものとお兄様の遺伝子を天秤に乗せることすら穢らわしいですし、それでお兄様の遺伝子が貰えなくなるのであれば自分から衣服を全て破きます、そうすることでお兄様にずっと私の裸体を見ていただけるのであればそれこそ一石二鳥ですし、良いかもしれませんね」
服が欲しいかと聞いただけでここまで返してくるのは本当に流石というかなんというか・・・って、それどころじゃない!
「それに、何を恥ずかしがっているのですか?前に私とキスをしたばかりじゃ無いですか」
「あ、あれは・・・その・・・」
「照れられなくてもいいんですよ、そろそろお見せ下さい、お兄様のものを・・・❤︎」
そう言って霧響はソファーに寝転がっている俺の下着を恭しく下ろした。
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