第490話快楽地獄

「ウイルスだけじゃなくて淫乱女までっ・・・!」


「だから私淫乱じゃないですって〜」


「そーちゃんの前でそんな下品な会話するならどっか行って!」


 そう言って3人は争っていて、俺のそれは今現在誰にも触られていない。

 ・・・またこの感じか・・・放置されるぐらいならいっそのこと最初から何もしてほしくないと毎回思う。

 出そうで出せないと言うのが多分一番辛いからだ。


「ちょっと!そーくんが辛そうにしてるからどいて!」


「虫のせいでそーちゃんが苦しそうな顔してるんでしょ!?そーちゃん!ちょっと待っててね!」


「先輩を快楽に誘ってあげますね♪」


 そんなことを喋りながらも3人はお互いを牽制する手を止めない。

 ・・・い、いっそのこと自分でしてしまいたいぐらいだけどそんなことしたら怒られるだろうし────!?


「そーくん!早く出して!」


 今度は初音が俺のそれを上下に動かし始めた。

 さっきまでは我慢してと言っていた初音が、今度は早く出せと言ってきた。


「ふっ、はぁ、ぁぁ・・・」


「ちょっと!そーちゃん、ダメだよ!?絶対に我慢してね!?」


「そうですよ先輩!もし今ここで出したりしたらこれからずっと「先輩って早いですね♪」っていじり続けますよ!」


 それはかなり嫌だな。

 すると他の2人も俺のそれに触り出した。

 もはや見えないぐらいに俺のそれは埋まってしまっている。


「・・・くっ、やばい、そろそろっ・・・」


「うん、わかってるよ、上がってきてるもんね!」


「そーちゃんのが上がってきてるの伝わってるよ!」


「先輩、早く出しちゃってください!」


「ちょっ、ま、待って─────」


「ちっ!」


 あと少しで何かが出てしまいそうになった時、初音が俺のそれの根元に何かリングのようなものを嵌め込んだ。・・・なんだ?いや、それよりも・・・


「も、もう、で、出─────っ!?」


 で、出ない・・・な、なんでだ・・・?確実に何かがあと少しで出そうという感覚はあるのに・・・なんでっ・・・


「私だけならよかったけど他の女なんかにそーくんの初めての快楽を一緒に体験なんてさせたくないから、今そーくんのそれに嵌め込んだリングが付いてる限り、そーくんは出せないの」


「そ、そんなっ・・・」


 鬼の所業にも程があるだろ・・・!


「うわぁ、白雪先輩貞操リングなんて持ってたんですかぁ」


「・・・そーちゃんが可哀想だけど私も私以外の女にそーちゃんの気持ち良さそうな顔見られたくないし・・・ごめんね、そーちゃん」


 て、貞操リングって、なんだ・・・?いや、それよりも・・・また寸止めで終わるのか!?


「はぁっ、はぁっ・・・ぅっ」


 流石にちょっと厳しいものがあるな、これは・・・


「そーくんが涙目になってる・・・本当にごめんね、この女たちさえいなかったらそーくんは今頃気持ちよくなれてたのに・・・」


「そーちゃん・・・本当にごめんね、虫とこの女がいなかったら今頃私が私の胸でそーちゃんのことを抱きしめたりしていっぱいイチャイチャできたのにね・・・」


「せんぱ〜い、今かなりムズムズしちゃってるんじゃないですかぁ〜?」


 ・・・いや、割と本気で泣いてしまいたいぐらいだ。

 出せそうだけど出せない、しかもそれが器具によるもののせいなのか少し痛みすら感じるぐらいだ・・・ここが地獄か。


「・・・ちょ、ちょっと俺トイレ────」


「鍵がないとそれ、外せないからね」


「・・・はい」


 俺はいっそのこと自分でしてしまおうと思ったが、初音にその考えを指摘されてしまいとりあえず落ち着くために部屋から出て水を飲むことにした。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る