第489話命懸けの性行為

「はぁっ、はぁっ・・・」


「そーちゃんの───じゃなくて・・・!」


 が、初音はは結愛が出てきても一切動揺しない───いや、俺の反応に集中しすぎて結愛がいることにすら気づいていない初音をベッドから無理やり下ろして、俺のそれを触った。


「ひゃっ・・・!」


「わぁ、そんな可愛い反応しちゃうの!?でももう我慢できないんだよね!私が出させてあげるからね!」


 いきなり手が変わると当然体温とかも変わって結愛の手はさっきまでずっと動かしていた初音の手と比べて冷たかったため、変な声が出てしまった。


「こ、こうしたら気持ちいいのかな?ぬるぬるしてるね・・・❤︎」


 結愛は慣れない手つきと言わんばかりの感じで俺のそれを上下に動かす・・・ふ、普通に気持ちいい・・・結愛は初音より優しい感じがする。

 なんかテクニックがどうとか色々あるらしいけど極論上下にされるだけで気持ちいい・・・って、ダメだダメだ、初音以外の人ので出したらそれは浮気だ・・・

 俺は結愛を俺から離そうとし────


「ぁはっ・・・!」


 いつの間にか初音が後ろから結愛の首を絞めていた。


「本当に邪魔!あとちょっとだったのにっ!邪魔!本当に殺す!」


 ・・・俺は驚いて動けないでいた。

 初音が結愛のことを人間なら死ねるぐらいの力で首を絞めていることに────ではなく、そんな力で首を絞められても結愛が俺のそれを上下に動かす手を一切止めていないことに。

 いや、もちろん首を絞めてるのも十分驚いてるけど普通人間は首を絞められたらそれを引き剥がそうとするという本当的なものがあると昔テレビで見たことがある。なのに・・・


「そーちゃ・・ん!気持ちいい・・・?は、早く出してくれると嬉しいなぁ❤︎」


 一向にその手を止めていない・・・本能を超える想いか、もしかしたら本当に結愛の言ってた通り俺の思ってる10倍ぐらい結愛は俺のことを想ってくれてるのかもしれない。


「そーくん、私がこの女を絞め殺すまで絶対に出したらダメだよ?もし出したら・・・わかってるよね?」


「はぁっ、ぅっ、ぁっ・・・」


 な、なんだそれ・・・つまり結愛が首を絞められて死ぬのが先か俺が出すのが先かってことか・・・?どこのデスゲームだよ!


「も、もう、無理─────」


「そーくん、出したら子種だけ保管して去勢するからね?」


「そーちゃん!早くっ、出して・・・!」


 外で100円を拾った時並の天使と悪魔みたいな真逆のことを言われて俺はどうすれば良いんだ・・・もう理性だって正常に動くかわからない・・・

 それでも俺はできるだけ出さないためにシーツを握って、歯噛みするようにして堪える。それでも─────


「も、もう本当に出─────」


「いいよ、早く出しっ────っ!」


 初音が結愛の首を絞めていた手を俺のそれを握っている結愛の手を引き剥がすことに集中することにしたのか、結愛の手を俺のそれから引き剥がした。


「私がそーくんを気持ちよく────」


「先輩たち〜、うるさいです────うわっ!先輩もう寸前だったりするんじゃないですかぁ!?わ、私が先輩を─────」


 ・・・もはや俺は何も考えることができない。

 俺は自分で出そうにもこんな大勢の中で自分でなんてしたくないという要らない理性のせいでこのあと少しで解放されそうな地獄を抜け出せず、流れに身を任せることにした。

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