第471話同棲は大変
「─────つまり結婚とは形式上の関係性を表すだけのものではなく、愛を具現化する方法の一つ、そしてそれは元々家族であればそれが相乗効果を生み、さらに愛を育んでくれることになるんです、わかりましたか?」
「─────え?あ、ああ、うん・・・」
「・・・では今私が言ったことをご自分の言葉で要約してください」
「えーっと・・・結婚は愛を育む・・・?」
「15点です!」
勘弁してくれ・・・まさか俺だってあれから約3時間もの間リビングで結婚について教えられるだなんて思ってなかったんだ・・・
「お兄様、学校の勉強なんてできなくても私が養って差し上げますし社会的に見ればあんなものは不必要です」
「は、はぁ・・・」
「ですが、今私がお兄様にお話ししていることは今後の人生で一番大事になってくると言っても過言ではありません」
それは過言だと思うけど口には出さないでおこう。
「なので、今私が言ったことをしっかりと頭に留めていただいて、なんでも良いので記しておいてくださいね、例の音声をどうするかについてはお兄様の結婚に対する想いの不慮が見つかったので保留とさせていただきます」
「は、はい・・・」
そう言い残すと、霧響はリビングを後にした。
「・・・っはぁー」
疲れたー、3時間もずっと結婚に関する話をされるなんて・・・少なくとも高校生の内に聞くにしては絶対に早い、せめて卒業してからにしてほしい・・・
「そーちゃん!ご飯できたよー!」
「・・・え?あ、ああ・・・」
ご飯ってことは・・・もう夜か。
・・・本当に明後日はどうしよう。レンタル彼女・・・真剣に考えたけどやっぱり一瞬だけ行って謝るぐらいの方法しか思い浮かばなかったな・・・
俺はリビングのテーブル席に向かった────が、そこでは相変わらず喧騒が繰り広げられていた。
「私がそーくんとのいちゃいちゃの余韻に浸ってる間になんで勝手に虫が料理作ってるの?」
そんな何時間も前のことで余韻に浸れるのが一周回って羨ましいな。
「そーちゃんのお料理を私が作るのは当たり前、そっちこそ何言ってるの?」
これは・・・またも長引きそうな感じだな、これに慣れてしまっている俺が怖い。
「先輩、せんぱ〜い」
「ん?」
俺の対面に座っているあゆが、俺の方に顔を寄せてきて小声で話しかけてきた。
「白雪先輩たちが見てない間に私があ〜ん、してあげますから口開けてくださ〜い」
「は、はあ!?そんな─────」
「「っ!」」
言い争っていたはずの初音と結愛が、あゆの方に向き直って言った。
「「私がするからどっか行って!」」
「えぇ〜」
「・・・・・・」
変なところで息ぴったりなんだな・・・
その後俺たちはなんとか無事にご飯を食べ終えることができ、俺は一旦自分の部屋に戻った。
「・・・はぁ〜」
今日も色々と疲れたな・・・もしかしてこの同棲期間中ずっとこの疲れが続くのか?だとしたらキツすぎる・・・今日は大人しく眠ることにしよう。
俺はベッドにつき、静かに眠ることにした。
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