第468話例のものの正体
その後俺はしばらくしてから起きると、初音になぜあゆを庇ったのかと怒られて初音をなんとか説得し、俺は今現在リビングにいる。
俺の部屋はいると必ず何かしらトラブルが起きるからできるだけリビングにいるようにしよう。
「せんぱ〜い」
「あっ、あゆ・・・」
今俺が関わりたくない人間ランキング第1位の人が話しかけてきたな・・・
「ちょっと先輩にお話が〜」
「断る!さっきあゆのせいでどんな目に遭わされたのか俺は忘れてない!」
「え〜、せっかく妹ちゃんがなんで先輩を襲うをやめたのか教えてあげようと思ったのにな〜」
えっ・・・?そ、そういえば結局なんで霧響があそこで俺を襲うのをやめたのかはわからないままだったな・・・あゆが耳打ちしてたような気がするけど。
「ま、そういうことなら私は─────」
「ま、待て待て!」
俺は去って行こうとするあゆの左腕を捕まえる。
「つ、突っぱねて悪かった、なんでなのか理由を教えてくれ」
「いいですよ♪」
あゆは俺の隣に座ると、その理由を話し始めた。
「この前私が先輩のアレを何度も弄って寸止めしたことは覚えてますよね?」
「そ、それはまあ・・・」
俺としては消したい過去で記憶だけどな・・・
「実はあの時映像は録画してませんでしたが音声だけは録音しておいたんです」
「・・・え?・・・は!?今なんて言った!?」
「ん?だから、音声だけは録音しちゃってたんですよ〜」
「・・・・・・」
何そんな大事なことをサラッと言ってくれてるんだ!えっ!?録音!?嘘だろ!?それは・・・あゆのことだ、絶対に今後脅しのゆすりとかで使用してくる。・・・本当に最悪だ、それに何より恥ずかしい。
「で〜、あのまま先輩が食べられちゃうのは私としても嫌だったので〜妹ちゃんに言ったんですよ〜」
「な、何を・・・?」
ま、まさか俺が寸止めされまくったことを霧響に言ったのか・・・?だとしたら兄として今後かなり羞恥を感じざるを得ない・・
「今ここで先輩を食べるのをやめてくれたら先輩の超えっちな音声を`永久保存版`としてあげるよ〜?って言っちゃったんですよ〜」
「・・・え、え、え?」
ろ、録音した音声を霧響に渡したのか・・・?い、いや、落ち着け。言っただけなら渡してはないはず・・・
「い、言っただけで渡してはないんだよな?」
「え?渡しましたけど」
「・・・・・・」
終わった。兄としての威厳も尊厳ももはや何もない。
「あのまま妹ちゃんに食べられるよりよかったと思いませんかぁ?」
それで霧響は例のものとか言ってたのか・・・でもそれなら霧響の性格ならやめてもおかしくない、か。
霧響は目先のことだけじゃなくて長い目で見ることができるからな。・・・そんな能力をそんなところで発揮してほしくないな・・・
でもこうなったらもう吹っ切れて音声だけでよかったと思うことにしよう。
「で〜まだ話はあって〜先輩、いつ白雪先輩と別れるんですかぁ?」
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