第467話総明からの条件

「そういうことってそんな「・・・はい」みたいな感じじゃなくて先輩もシたいって思った時にしないと意味ないじゃないですかぁ〜」


「そ、それは・・・」


「そーくんは常に私とそういうことをシたいと思ってるけど他の女が邪魔してくるかで出来てないだけなのっ!ねっ、そーくん?」


「え、どうだ────」


「白雪先輩全然先輩のことわかってないですね〜、先輩はもうちょっと大人になってからそういうことをしたいんですよ〜」


 確かにその通りだけどちょっと前に俺に強引にそういうことをしてきた人に言われても全く説得力がない。


「・・・そうなの?そーくん」


「えー、いや、まあ・・・ま、前から言ってるけどせめて18歳になってから────」


「だからそんなに待てないのっ!もっと早くにしてっ!」


「も、もっと早く・・・」


 つまり明確に日程を決めろってことか・・・?こういうのって雰囲気とか場の流れでするようなことだと思うんだけど、少なくともその日までは俺の貞操は守られるってことか。・・・そうだ。


「じゃ、じゃあする時の条件はそういう雰囲気になったらっていうのはどうだ?お互いに日を決めるんじゃなくて感情的にしたいって思った時っていうか・・・お互いが納得した時、みたいな?」


・・・ま、間違ってはないはずだ。どちみちそういう雰囲気になったんだとしたら別にしてしまってもそれはもう仕方のないことだし、俺的には一番いい決め方だと思う。

 日程も明確には決めてないから`その日`がいつなのかはお互いにわからない。つまり・・・俺の自制心次第だ。


「え〜せんぱ〜い、それじゃ弱────」


「うんっ!それでいこっ!」


 あゆは否定しようとし、初音はあっさりと承諾した。

 でも初音があっさり承諾するところが逆怖いな・・・


「・・・でもそーくん、シたいって思ったと気は遠慮せずに、隠さないことを約束してね?私なら本当にいつでもいいから」


「わ、わかった、約束する」


 それは約束しないとそもそもこの条件が意味をなさないからな・・・


「・・・それはそうとして」


「ん〜?どうしましたぁ?」


「この淫乱女っ!そーくんを誘惑しようとしたってそうはいかないからっ!」


「誘惑なんてしてないですよ〜」


「嘘っ!」


 初音はあゆに詰め寄ったが、詰め寄った瞬間にあゆがベッドに座っている俺の後ろに回って俺を後ろから抱きしめて言った。


「先輩の体〜❤︎やっぱり先輩は私と運命で結ばれてますね❤︎」


「っ!私のそーくんに・・・!殺す!」


 初音は憤慨したようにあゆに向かっていく。・・・え、この位置取りだと俺も巻き込まれてしまうんじゃ・・・?


「ま、待て待て初音!?」


「・・・なに、そーくん」


「ほ、包丁は危ないだろ・・・?」


「今ただでさえそこの淫乱女との浮気を疑われてる状況下なのにその女のこと庇うの?」


「か、庇うとかじゃなくて単純に危ない─────」


「先輩っ!守ってくれてありがとうございますっ!や、やっぱりかっこいいですね・・・!」


 あゆは顔を下に向けて照れるように言った。・・・少女漫画のワンシーンでありそうな雰囲気だな、本当に純粋な恋する乙女────


「そーくんの浮気者!」


`ストッ`


 首に何か強い衝撃を受け、俺は意識を一瞬にして手放してしまった。

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