第463話あゆとお風呂

「・・・はぁ」


 俺は今日もなんとか無事1日を終え、お風呂で体を洗っていた。

 このお風呂場は広すぎて落ち着かない時もあるけど今は特に気にならなかった。それにしても・・・


「すごいシャンプーの数だな」


 どうやらみんなちゃんと自分用のシャンプーというものを決めているらしく、しっかりと持参してきていてお風呂場に置いている。

 シャンプー以外でも女子は色々とあるんだろうけど、お風呂場には置いておけないものばかりだろう。・・・毎回大変だな。


「そうですね〜、私のシャンプー使ってみます〜?」


「使うわけないだろっ!そんなことできるわけ─────え」


 俺は湯船というよりは温泉と言ったほうが合っているこのお風呂場の浸かるところを見る。


「あ、あ、あ、あゆ!?」


「きゃぁ❤︎先輩のえっち〜!私ずっと浸かってましたよ〜?」


「う、嘘つけ!外には着替えなんてなかったし入った時だってそこには誰も────」


「だから着替えは隠して先輩が入ってきた時だけ水中に息を潜めてたんですよ〜、そうしたら先輩と一緒にお風呂に入れるかなぁって思って❤︎」


 腰にタオルを巻いてたからギリセーフかもだけどここはいち早く出ないとな、これ以上ここに長居していても良いことは絶対にない。


「じゃあ俺は先に────」


「今私が叫んだら先輩困りますよね〜?だから一緒に浸かりましょう!」


「は、はあ!?そんな手に乗るわけ────」


 あゆがいつの間にか俺の目の前に来て、俺の口元に自分の人差し指を当てた。


「大声出したらバレちゃって、死んじゃいますよ?」


「・・・・・・」


 割と冗談じゃ済まなそうなジョークに、俺は沈黙するしかない。

 ・・・それにしても、やっぱりこうして見るとあゆは可愛い系のトップクラスだな。体に巻いてるバスタオルがまたなんともお風呂の雰囲気を醸し出している。


「あれれ〜?惚れちゃいました〜?」


「惚れるわけないだ────んっ!?」


 あゆは一度俺に軽くキスをすると、すぐにキスをやめた。


「だから大声出したら聞こえちゃいますってば♪早く浸かりましょ?」


 俺はあゆに手を引かれるがままに、一緒にお風呂に浸かることになってしまった。・・・これはちょっと男子高校生には刺激が強いのではないでしょうか。


「先輩の裸体〜♪刺激が強すぎますよ〜❤︎」


 それはどう考えても俺のセリフだと思う。

 あゆがそんなことを言いながら、俺に抱き着こうとしてくるので俺はそれを必死に避ける。


「もうっ!避けないでくださいよ〜!」


「避けるに決まってるだろっ!」


「そんなことする先輩には────こうしちゃいま〜す♪」


 あゆはお茶目な感じで言うと、俺の腰に巻いていたタオルを奪った。

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