第459話初音といちゃいちゃする
「・・・ん?」
俺の左腕から柔らかい感触がする。
この感じは久しぶりだ珍しく目覚めが良い。
ここ最近は起きた瞬間に拘束されていたりすることが多かったからなんていうか、こういう普通の目覚めは気分がいいってことなのか?
そんなふうに思いながら、俺は体を起こ─────え!?
「は、初音・・・!?」
俺は俺に抱きつきながら眠っている初音を見て気づく。この柔らかい感触の正体は初音の胸だと。しかも・・・
「なんで下着姿なんだ!?」
おかげで胸の感触がほとんどダイレクトに伝わってくる。・・・可愛い下着だな、って!そうじゃなくて!
「お、おーい、初音・・・」
「・・・・・・」
初音を呼びかけてみるも一向に小さく寝息を立てるだけで起きる気配がない。
しかも寝てるのに力が尋常じゃないぐらいに大きい、そのため抜け出すこともできず、無理やりにでも抜け出そうとすると間違いなく初音の胸を触ることになる。・・・困ったな。
「どうしたものか・・・ん?」
俺の枕元に何かが置かれている。これは・・・紙か?何かが書かれている。
『お姫様は王子様のキスによって目覚めるんだよ❤︎』
「・・・・・・」
それを見て沈黙することしかできなかった。・・・いや、初音からしたらいつもの感じでやったんだろうけど、なんていうか初音にばかりアプローチしてる自分が情けない。
「・・・よし」
俺は初音の冗談だと分かっていつつも、初音にキスすることを決めた。
最近は割と初音じゃなくても不安になるようなことばっかり起きててちょっと悪いなとも思ってたからな・・・
俺は寝ている初音の顔の前まで自分の顔を持ってきて───そっと唇を重ねた。
「んっ・・・!?」
初音が驚いたような顔をして俺を見ている。・・・やっぱり起きてたのか。
・・・よ、よし、もう3秒ぐらいキスしたし良いだろう。俺は初音から唇を離そうとしたが───初音が手を使って俺の頭を押さえ込んでいる。
「んん、んんんっ!」
「ん〜、はぁ・・・❤︎」
初音は満足したのか、俺の頭から手を離した。
「はぁはぁ・・・」
「本当にそーくんからキスしてくれるなんてっ!私嬉しいよっ!」
「そ、そうか・・・?」
「うんっ!」
初音は満面の笑みを浮かべた。・・・やっぱり浮気の疑惑さえなければ本当に初音は可愛い恋人だな。・・・俺ももっとしっかりしないとな。
「じゃあ、ちょっと顔を洗ってく────」
「待ってっ!もっといちゃいちゃしよ!」
初音は俺に後ろから抱きついてきたかと思ったら、俺を布団の中に無理やり入れ、自分の布団の中に入ってきた。
「・・・・・・」
「ん〜!そーくん!」
初音は布団の中で俺に抱きついてきて、俺の耳を甘噛みしてきた。
「ひぁっ・・・」
「そーくんもしかして・・・耳弱いの?」
「そ、そんなことはない」
とは言いつつもまさか耳を噛まれるだけでこんなにも気持ちいいとは思わなかった・・・っていうかなんで今日の初音はやけにハイテンションだな。
「はむっ」
「ぅぁっ」
「やっぱり耳弱いんだ〜そーくんの弱点見っけ〜❤︎」
その後少しの間ハイテンションな初音に付き合った。なお、そういうことはしていない。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます