第454話霧響とあゆは相性が悪い
「・・・あなたのことはあまり好きにはなれそうにないのでお兄様の神聖な部屋から出ていってください」
「神聖なのはわかるけど〜、じゃあ妹ちゃんは神聖な場所で何してるのかなぁ〜?」
「お兄様に反省してもらうためにお兄様を拘束し、食べ物を与えないことで餓死寸前まで追い込もうとしています」
「神聖な場所でそんなことしていいのかなぁ〜?」
「神聖な場所でこそ、神罰を下すのに相応しい場所です」
「・・・・・・」
本当に相性悪いなこの2人・・・
「あっ先輩、ちんちん────」
「おい!」
「あの、お兄様の前でそのようなはしたないことを言うのはやめてください」
はしたないと言われるのは男としてあれだけど確かにその通りだ。
「え〜?私はちんちん列車現実で見たことありますかぁ〜?って説明しようとしただけなんだけど〜、妹ちゃんは何を想像したのかなぁ〜?」
「なっ・・・」
霧響が驚いたような顔をする。・・・綺麗に嵌められたな。
「先輩もこんな下品な妹を持っちゃうと大変────」
「これ以上お兄様の前で私を貶めるような発言をするのはやめてください、それと正式名称はメトロ電車なのでこれからはそう言ってください」
「え〜、そんなの妹ちゃんに制限される理由なんてないよね〜?お姉ちゃん何か間違ってること言ってるかなぁ〜?それに、私はちゃ〜んと可愛くするために`お`をつけるよ〜?」
と、またも年上マウントを取ろうとし、最後にいらない情報まで漏らすあゆ。
年下ポジションを取れなくなると気づいた瞬間に年上マウントを取ろうとする切り替えの速さが流石というかなんというか・・・
「・・・お姉ちゃん?」
霧響があゆの目の前まで移動しあゆを見下してからあゆの胸をチラリと見て、またあゆの目に視線を戻す。
身長は4cmほど差をあけて霧響の方が大きい。胸は・・・言うまでもない程の差がある
「どうも姉には思えません」
あゆもその結論に至るまでの経緯に気づいたのか、霧響に言う。
「んん?妹ちゃん先輩より挑発お上手だね〜?」
「挑発ではなく、事実を言ったまでです」
「意図して相手を怒らせるような発言をするのが挑発って言うんだよ〜?国語の勉強わかるかなぁ〜?妹ちゃんのために授業してあげよっかなぁ?」
「ご心配なく、一応すべての教科では成績評価最高点を貰っています」
「点数なんてそれほど重要じゃないんだよ〜?数字よりその結果、例えばその評価が全て最低値でもそれをどれだけ実用できるかどうかなんだよ〜?中学生の妹ちゃんには難しかったかなぁ?」
「っ・・・」
さっきまではあんな巧みに初音たちをうまく躱してた霧響が押されてる・・・やっぱり口だけで言うのであればあゆが一番上手いかもしれない・・・同時に一番厄介な人物とも言えるわけだが・・・
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