第447話霧響も恋愛対象に?
「そ、そんなこと言われても────」
「明らかに今お兄様は私を異性として認識しています、でもそれを認めたくないのは私が妹だからですよね?」
その通りだけどそれを妹自身に言われるのは毎回思うことだけど複雑だ。
「・・・そうだ」
「ですがよく考えてください・・・私としては不服ですが最悪の場合結婚をしなかったとしたらずっといることができます」
「まぁ、それはそうだろうけど・・・そもそも根底的に妹っていうのが────」
「でしたら、言葉が少し汚くなってしまいますがお兄様は妹に欲情する変態ということでよろしいのですか?」
「えっ・・・」
それは泣くほど嫌だな。妹に発情する変態とか言われるぐらいならまだシスコンと言われるほうがマシだ。・・・どっちも嫌だけど。
「それは・・・良くない」
「もうわかっているでしょう?お兄様はそうやって全て否定して子供のように駄々をこねているだけです、そろそろ私と向き合ってください」
「霧響と・・・向き合う?」
「はい、まずは私を妹・・・と思うのは別に構いませんが妹と恋愛をしてはいけないという意味のない固定観念を捨ててください」
そう言われてもやっぱり長年染み付いてきた妹というフィルターはそうそう簡単に外せるものじゃない。
「そして、その固定観念を捨てる最初の術として・・・」
そう言って霧響はスカートを下ろし、完全に下着姿になってベッドに座っている俺の隣に座り俺の方に向き直った。
「まずは私を子供扱いするのをやめてもらうべく、お兄様には私の膝下で寝てもらいます」
「・・・つまり?」
「膝枕を私がするのでお兄様は大人しく私の膝上で眠ってください」
「・・・えぇ」
膝枕で霧響に対する考え方が変わるとは思えないけど・・・断れない状況にあるのも確かだしここは霧響の提案に乗っておこう。
俺はそう決めて、霧響の膝下に頭を置いて目を閉じた。・・・正直下着姿の妹の膝下でなんて眠れるわけがないが、それは言わない方がいいだろう。
「どうですか?お兄様、見える景色は変わりましたか?」
見える景色・・・俺はそう言われ、一度目を開けてみる。
「見える景色って・・・ちょっと世界が横になっただ────け・・・!?」
俺が霧響の顔を見ながら喋ろうと霧響の膝下から霧響の顔を見上げようとしたが、見事にどこでそんなに育ったのか大きな胸がそれを邪魔している。
「・・・お兄様好みのサイズになりましたか?」
霧響はなんで俺が驚いたのかを察したように言った。・・・いや、見える景色なんて表現を使ってる時点で俺が胸のサイズに驚くよう誘導していたのかもしれない。
「お兄様、私はもう子供じゃないです」
「それは、まあ・・・うん」
正直中学生が子供じゃないのかどうかと問われればわからないけど、それは高校生も同じことなので黙っておくことにしよう。
「もしそれがまだ現実味を帯びないのであればここで胸をお兄様に見せて差し上げます」
「ああ、いや!大丈夫だ!わ、わかった、子供じゃないのは十分にわかった!」
もし今胸なんて生で見せられてしまったら俺の方が我慢できるか怪しい・・・何せここ最近は本当に色々な意味でお預けを食らってるからな・・・
「では・・・今ここではっきりと、これからは私のことも恋愛対象として見ると宣言してください」
「えっ、いや、でも今ここで宣言したとしても今後そうなるかなんてわからないからそんな曖昧な宣言する理由なんて──────」
「私を恋愛対象として見ると宣言してください、事実よりその副次結果です」
確かにそういう考え方もできなくはない・・・か。それに流石にここまで色々と俺が霧響のことを少しだけでも異性として意識している根拠を俺自身で証明されてしまっては言わないわけにはいかないな・・・
「こ、これからはちゃんと霧響のことも恋愛対象として見る」
「はい、そうしてください」
「・・・・・・」
こうして俺は、霧響を恋愛対象として見ることを宣言した。・・・いや、宣言させられた。・・・でもなんて言うか、色々と間違ってるような気がする。
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