第446話霧響は女として意識されたい

「・・・・・・」


 どうしてお兄様はこんなにも私がお兄様を求めてるのに何もしてくださらないのか・・・それは私とお兄様が兄弟だからに他なりません。

 ・・・私とお兄様が兄弟であることで良いことはたくさありましたが、それ以上に兄弟で結婚するのはダメという法律を日本に作った人が憎いです。

 もしそんな法律がなければきっとお兄様は私のことも本能的に恋愛対象と認めてくださったはず・・・


「はぁ・・・」


 こんなにも私はお兄様を恋愛対象どころか結婚まで見据えてるのに・・・なぜ同じ環境で育ってきたはずなのにここまで差が出てしまうのでしょう。

 ・・・っ!良いことを思いつきました。


「お兄様、私少し着替えてもよろしいですか?今来ている服が外行きの服なので部屋着に着替えたいので」


「え?ああ、別に良いけど、それなら俺は出ていく」


 お兄様はそう言うと座っていたベッドから立ち上がろうと素振りを見せますが、すかさず私はそのお兄様の動きを止める言葉を発します。


「兄弟なのでしたら、別に同じ空間で着替えても何も関係ないのでは?だって私`妹`なのでしょう?」


「なっ────」


 お兄様がいつものように何かを言おうとしますが、私は間を空けず続けます。


「いつもお兄様が言ってることですよ?`妹`だから恋愛対象として見れない、`妹`だから性対象として見れない・・・性の対象として見ることができないということは私の下着姿にも欲情しないということですよね?」


「・・・もちろんだ」


「でしたらお兄様が部屋から出ていく理由がどこにあるのでしょうか?」


「・・・そうだな」


 お兄様は観念したようにまたもベッドに座り込んだ。

 お兄様は簡単に言いくるめることができるのでそこは本当に助かってるところです。


「では・・・」


 そう言って私は着ていた上着を脱ぎ、上半身を下着姿にした。本当ならここで上着を着るところですが、お兄様にはできるだけ長く私の下着姿を見ていてもらいたいので、そんな勿体無いことはしな─────


「お兄様?」


「・・・どうした?」


「なぜ目を瞑っているのでしょうか、欲情しないのであれば不要だと思います」


「・・・そ、そうだな」


 お兄様はまたも観念したのか、目をゆっくりと開けて私の今は上半身だけの下着姿を見て少しずつ顔を赤くしていった。

 ・・・目を閉じて逃げるなんて許しません、ここでしっかりとお兄様には私のことを女として意識しているということを認識していただきます。

 私はあえてゆっくりとスカートを脱いでいる最中─────


「・・・お兄様?」


「ん、な、なんだ?」


 お兄様はあからさまに顔を背けていた。・・・私の下着姿を見て恥ずかしがっていただけるのは幸福ですが見ていただけないのであれば意味がありません・・・そろそろ本題に切り込みましょう。


「お兄様、そろそろ認めてはいかがですか?私のことを女として意識しているということを」

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