第418話お開き
「・・・・・・」
「・・・っ!?」
2秒ほどキスをしていたため、そろそろ唇を離そうとしたが一向に離れることができない。・・・と言うより、初音が離させてくれない。
しかも離させてくれない方法が俺の舌を痛くない程度に噛んでいて、もし唇を離したら噛みちぎるとでも言うような殺気を感じる。
それを15秒ぐらい続けていると、あゆから声がかかった。
「あの〜。ちょっと長すぎじゃ無いですかぁ〜?」
チラッと目を開けて天銀の方を見てみると、目を両手で覆って顔を赤くしている。天銀はちょっと初すぎるな・・・ん?
「・・・・・・」
そういえば俺はいつからこんなことができるようになったんだ?2ヶ月前なら絶対にゲームだったとしても自分からキスするなんてできなかったのに・・・も、もしかして俺が異常者に・・・?
い、いやいやいや!ただ単に今の状況的にしなかったら後でまずいから火事場の馬鹿力的なやつでできただけだな、うん。
後少しキスをして、初音は満足したのか俺の唇を解放した。周りから見れば俺が初音の顔に両手を添えていたため俺が強引に長くキスしたように見えるかもしれない・・・
「・・・先輩、後でお話しすることが増えました」
「ひっ・・・」
眠たいとか言って後で行かない方が良いか・・・?
いや、それはそれで怒りそうだな・・・
「・・・では〜!今日はこれでお開きで〜す!私は3階に自分の部屋があるので皆さんはどの部屋でもお好きに寝てくださ〜い!」
・・・今更だけど自分以外全員年上なのにこんなに普通なのすごいな。もし俺なら萎縮しきってるだろうな、相手も相手だし。
「じゃあそーくん、一緒の部屋で寝よ?」
「あ、ああ、うん・・・で、でもちょっとトイレに行かせてくれ・・・」
あゆに会いに行くから先に行っててくれなんて言ったら殺されてしまう。ここはトイレに行くことにしておこう。
天銀はリビングのソファーで寝るらしい。・・・大丈夫なのか?
「一先ずは置いておくか」
俺は初音が2階に行ったことを確認してから、トイレに入り、5分後に出てきた。別にお腹を下してるわけじゃ無いけど万が一初音と2階で出くわしたら3階にいるあゆに会いにいけないからだ。
「・・・あ」
あ、当たり前だけどこの階段段差がある・・・どうする、車椅子じゃいけない。とはいえ、ちゃんと手すりもある。
ここは怪我がマシな右足に重点を置いて左足を浮かせるしかないか。
俺は車椅子から降り、さっき行った方法で上に登っていく。・・・辛い。
「ほっ・・・」
ようやく2階までを登り、さらに3階にも登った。
「確か奥の部屋だったな」
当然ここには手すりなどないため、俺は這うようにして3階の奥の部屋に向かうと、そこいは『あゆのへや』と書かれた看板が置かれていた。
部屋が『へや』になっているところに可愛さを感じつつも、俺はその部屋のドアを開けた。すると・・・
「先輩、ヤりましょう」
「・・・・・・」
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