第370話初々しいお着替え

「・・・じゃあ、お洋服脱がせてあげよっか?」


 俺が車椅子だからという配慮かもしれないけど・・・


「いや、大丈夫だ、自分で脱げる」


「そっか・・・昔は笑顔でばんざいってしてくれたのにな・・・」


 と、ぼそっと言った。・・・今の俺の中での結愛はものすごく優しいと言う位置付けになっている。そんな人にそんな落ち込んだような感じで言われると感じる必要のないはずの罪悪感が芽生えてくる。

 俺は仕方なくばんざいをした。


「わ、悪かった、脱がせて欲しい」


「っ!うん!任せて!」


 そう言って結愛はぱあっと明るくなって、俺の上半身に着ている服を、ゆっくりと全て脱がせた。


「・・・・・・」


 結愛は俺の上半身を凝視している。テスト直前に教科書をできる限り記憶するような目で・・・そして、何を思ったのか人差し指を前に出し、俺の上半身にある突起物にチョンッ、とした。


「ぃぁっ・・・」


「あはは♪可愛い❤︎」


「からかうな!」


 こんな感じのことは小学生の時によくやっていたから今更何か思うことはないと思ってたけど、やっぱり年齢が変わると思うことも出てくるな・・・


「じゃあ、次は下も脱がせちゃうよ?」


「・・・し、下着は残してくれ」


「・・・うん」


 結愛もそこは思うことがあるのか、すんなりと承諾してくれた。

 結愛はゆっくりと俺の履いているズボンを下ろしていった。


「・・・・・・」


 またしても結愛は俺の下着を凝視している。・・・いや、下着を、というよりも下着の中にあるものに興味を持っているように見える。


「・・・下着越しでもわかるよ、昔より大きくなってるんだね」


「・・・・・・」


 は、恥ずかしい!幼馴染にこんなことを言われるのがこんなに恥ずかしいことだとは・・・


「・・・こんなの本当に入るのかな・・・」


「ん?なんだ?」


 結愛が何かを小声で言ったけどよく聞き取れなかった。


「あ、ううん、なんでもないよ?じゃあ、私のことも脱がせてくれ、る?」


「あ、あー・・・ああ」


 俺はちょっと迷ったけど、ここで断ったら俺が変に意識してるみたいになってしまう。あくまでも昔と同じように、何も意識しないようにしよう。ここにいるのは幼馴染の2人、それ以上の何者でもない。


「じゃ、じゃあ・・・う、上から脱がす・・・」


「うん」


 ・・・女性の場合は先にどっちから脱がすのが正解なのかよくわからないな。そんなことを思いながら、俺は結愛のひらひらした上着を脱がせていった。

 そして、とうとう上が下着姿になった。


「・・・どう、かな?私だって大きくなったでしょ?」


「・・・あ、ああ・・・」


 た、確かにでかい。服の上から見るよりも何倍も大きいように見える。


「・・・・・・」


「そんなに見たいならもっと近くで見てもいいんだよ?」


「えっ!?あ、いや、わ、悪い!」


 俺は自分が無意識のうちに結愛の豊満な胸を見てしまっていたことに気づき、すぐに視線を逸らした。


「じゃあ次は下脱がせてくれる?」


「あ、ああ・・・」


 そして俺は下も上と同じように脱がせた。とうとう結愛は上下完全に下着姿になった。下着は上も下もピンク色だ。小さい時からピンク色が好きなのは変わってないみたいだ───って!何を勝手に分析してるんだ俺は!

 そして結愛は全身にお風呂用の白いタオルを巻くと、下着を脱いだ。


「・・・・・・」


 な、なんと言うか・・・これが色気っていうのか?感じるものがあるな・・・

 俺も腰にタオルを巻いて下着を脱いだ。っていうか・・・ちょっとえろ───い、いやいやいや、幼馴染をなんて目で見てるんだ。自重しないとな。


「じゃあ、入ろっか」


「・・・あ、ああ」


 そして俺たちはとうとう一緒にお風呂に入った。・・・因みに俺は結愛に肩を貸してもらっている。

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