第347話あゆの嘘
俺たちはエレベーターで25階にエレベーターで向かって、部屋番号02のところの前まで来た。
「よ、よし、インターホンを鳴らす…」
な、何気に一応女の子の家にピンポンを押すなんて中々に珍しいことだから今更ながら緊張してきたな・・・いやいやいや、あゆは女の子なんて可愛いものじゃない。悪魔だ、それを忘れたらだめだ。
・・・でも一応年下の性別的に言えば女の子の家・・・
「そーくん、変なこと考えてないよね?」
「か、考えてないです!」
俺は初音に諭されたことでその反動としてインターホンを押してしまった。こうなったら後はあゆを問いただすことだけを考えよう。
『はーい』
インターホン越しから、昨日俺のことを嵌めた張本人であるあゆの声が聞こえてきた。親の人が出てきたらどうしようとかちょっと思ってたけど、心配は要らなかったな。
「ちょっと話がある」
『あっ、初めてをいつするかっていう話ですよね?ちょっと待ってくださ〜い❤︎』
`ギロッ`
インターホンの通話状態が切れると、初音が俺の方を殺気を込めた目で見た。
「ち、違うからな?これはあゆが勝手に言ってるだけで俺はそんなつもりでここに来たんじゃない」
「へえ・・・あとあゆって呼ぶのやめてって言ったよね?」
「あ、ご、ごめん・・・」
これまたあゆの苗字を教えないっていう戦略にうまく嵌められてしまってるな・・・確かに下の名前だと親しい関係だと思われてしまっても仕方ない。
・・・初音なら苗字でも下の名前でも他の女子の名前を覚えただけで怒るか・・・
「せんぱ〜い❤︎私的には今日の夜ぐらいが────」
「俺はそんな話をしに来たんじゃない!」
あゆの頭の中はどうなってるんだ?頭がいいのか知らないけど見た感じ学力はあんまり高くなさそうだ。だとするなら・・・三大欲求のうち食欲一割睡眠欲二割性欲七割ぐらいじゃないのか?
「・・・じゃあ話ってなんですか」
いきなりそんなテンション下げて落胆されても困る・・・
「え、えーっと、そ、そうだ!本!」
「・・・本?」
「その・・・18禁の本のことだ!」
「18禁の本ってなんですか〜?あゆ15歳だからわかんな〜い❤︎」
普段自分呼びしないくせにこういう時だけ自分呼びするのはうまく使い分けてる感があるけどかなり来るものがある。
・・・それに、エロ本なんていう単語を出したら絶対にあゆはそこを責めまくるだろう。っていうかそれが目的でなんのことかわからないふりをしてるんだ。
「だから・・・前にあゆ、君が俺の家に置いていった本のことだ!」
危ない危ない、あゆ呼びすると初音に怒られてしまう。
「本・・・?ああ、先輩が私に白雪先輩に見つかると大変だから買ってきて欲しいって強制した本ですか〜?」
「なっ・・・」
な、なんてことを言ってくれてるんだ!
「どういうことそーくん」
「ま、待て違う!嘘だ!俺は本当に何も頼んでない!」
「・・・クスッ」
俺にだけ聞こえるように笑った!?くううううううう!!ど、どうする、こればっかりは本当に証明のしょうがない。監視カメラで見てもわからないからこうなってるんだ。
「・・・私に隠れてあんな本買ってたなんて・・・」
「だ、だから違うんだって・・・」
「でも、そーくんだって年頃の男の子なんだし、そのぐらい仕方ないよね」
「っ!?」
きょ、許容してくれた!?
「だから、私がそのそーくんの性欲受け止めてあげる❤︎」
あゆが俺の腕を引っ張ってエレベーターの方に向かおうとする。
「えっ、ちょっと待って────」
「待ってください」
「・・・え?」
あゆが初音のことを静止してみせた。あ、あゆは一体何がしたいんだ・・・?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます