第339話何事も入口が大事
「いいい、いきなり何を言ってるんだ!」
「いきなりじゃないですよ〜、何年も前からです〜!」
何年もって・・・そういえば同じ中学校だったとか言ってた気がするけどそれだけで俺のことを好きになったんだとしたらちょろいなんていうレベルじゃない。中学の時は本当に女子と何か話したりすることもなかったし。
「で、返事は?」
「返事はって・・・断るに決まってるだろ!」
申し訳ないけどこれは即答な。流石に正式に浮気する度胸なんてないし俺からしたらあゆがどんな人なのかも知らないんだ。さっき名前を知ったばかりだし。俺はそんな女たらし的なやつじゃなければ、そんな技量もない。
「えっ!?断っちゃうんですか〜!?」
逆に断られないと思ってたことに驚きだ・・・
「俺は浮気なんてする気はない!」
「浮気・・・?あー、もう恋愛してる気になってるんですか〜?」
「な、なんだその言い方は・・・」
恋愛してる気も何も俺たちは普通に恋愛してるはずだ。・・・はずっていうか普通に恋愛している!自信を持って言える!
「そもそも本当に先輩白雪先輩のこと好きで付き合ったんですか?最初」
「最初・・・?」
「ほらっ、何事も入り口って大事じゃないですか〜、例えばスポーツを始めた理由とか〜、子作りの時だって挿れる入り口を間違えたら────」
「そんな生々しいこと言わなくていい!」
最後の文面は忘れるとして・・・最初か。思い出したくもないな・・・あんなの正直告白でもなんでもなかった。
「あ、もしかして私の初めて心配してくれてるんですか〜?」
そんなこと一言も言ってない。
「大丈夫ですよ〜!先輩のために取ってありますから!なんならお試しでやっちゃいますか?」
「やらないし取っておかなくていい!」
なんでみんなそんなに自分を安売りするんだ・・・最近なんか性的な事件とかたまにニュースで見るけどこういう女性が増えてきたからとしか思えない・・・
「取っておかなくていいって・・・じゃあ先輩は私がどこの誰とも知らない奴に無茶苦茶に犯されてもいいって言うんですか・・・?」
涙目でうるうるしながら言ってきた。そ、そんな感じで言われたら・・・
「そ、そうとは言ってない・・・」
「あはっ❤︎だめですよ〜彼女がいるのに他の女の心配なんてしたら〜、やっぱりその程度の愛なんですよ〜」
さっきの感じで言われて心配しない方が最低だろ。っていうかなんの話だこれ!
「で、どうなんですかぁ〜?」
「・・・・・・」
あゆは知るよしもないだろうけど俺と初音は3ヶ月開けて付き合うのは2回目だ。でも、確か初音と付き合うことになったのは────
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