第337話後輩の強引来訪
`プルルルル`
「ま、また電話・・・?」
普通電話が来たくらいじゃこんなに困惑しないんだろうけど俺からすると初音に色々と制限されていて連絡できる相手が限られているため、誰なのかと驚いてしまう。
「前に霧響から電話が来たから霧響は除外できるか・・・」
っていうか電話って傍受されてるんだったな・・・幸い今は常は俺の足に巻くガーゼとテーピングと包帯とかのやつを買いに行ってるからいないから傍受できないのか・・・?
いやいや、俺だって馬鹿じゃない。そうなんども同じような手には引っかからない。多分初音のことだ、傍受されてるスマホの音声の録音ぐらいは自動でやってのけているだろう。となれば・・・
`ピッ`
俺は電話に出ずに着信拒否をした。こうしてしまえば傍受する通話がない。それに、通話相手が非通知になってたから連絡先を交換していない人だ。
これなら最悪着信履歴を見られたとしても初音に怒られるようなことにはならない。
`ピンポン`
「ん・・・?」
初音が帰ってきたのか・・・?まだ出ていってから5分も経ってないのに。まあ初音の脚力なら5分で買いに行けたりするのか・・・?だとしたら鍵を忘れたってことか。
俺は少しずつなれている車椅子を操縦し、玄関のドアを開けた。
「おかえり初音───!?」
「はいっ♪ただいまです〜、あと白雪先輩じゃなくて可愛い可愛い後輩ちゃんですよー、もぅ、なんで電話出てくれないんですか〜」
電話の相手は君だったのか、本当に出なくてよかったと心から安堵した。俺はすぐさまドアを閉めようとするも・・・
`ガンッ`
鉄パイプのようなものをドアの間に挟んでドアが閉まらないようにしてきた。そういうのって普通足挟んでやるものじゃないのか・・・?
いや、痛いんだろうけど鉄パイプなんて挟まれるより俺としてはずっと足を挟まれる方がマシな気がする。
「ちょっと待ってくださいよ〜、せっかく白雪先輩がいないんだからゆっくりお話ししてもバチなんて当たらないですよ〜」
こ、この子は何もわかってない・・・何が初音がいないからお話ししてもバチなんて当たらないだ、そんなわけがない!
この家の中にも隠しカメラとか盗聴器があるし、なんなら俺の服とかにもついてるかもしれないんだ。・・・まあ、流石にこの服はさっき来たばっかりだから付いてない・・・でも初音のことだしもしかしたら付いてるかもしれない。
「こ、こうしてるだけでも危険なんだ、早く出ていってくれ!」
「ん〜、そうですね〜、じゃあ・・・えいっ♪」
`ガチャ`
「えっ・・・」
ツインテール少女は鉄パイプを強引にドアが開く方に押し、中に入ってきたあと鍵を閉め、中からしか開かない鍵までも閉めた。
「な、何してるんだ!」
俺がすぐにその鍵を開けようとするも・・・
`がしっ`
「まあまあ、せっかくの機会ですし2人でお話ししましょ?ね?」
「いやいやいやいやいや、だめだだめだ、今こうしてるだけでも危ないんだ、そんな恐ろしいまねできるわけがない」
「・・・その点についても色々とお話ししたいので・・・とりあえず先輩の部屋───はまだちょっと早いからリビングでお話ししましょうっ!」
そう言って自分の家を歩くようにしてリビングまで向かっていった。
「これは・・・詰んだのかもしれない・・・」
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