第306話初音と可愛いマラソン
「そーくん、マラソンしに行かない?」
「マ、マラソン・・・?」
これまた急だな。そんな体力を使うようなことしたくないんだけど・・・
「うん、そーくんはもうちょっと体力をつけた方がいと思うんだー、今後のことも考えて」
確かに俺の体力の無さには自分でも自覚できるぐらい体力が無い。かといってマラソンをしたいのかと言われるとマラソンなんてしたくない。シャトルラン並みに嫌いだ。それに俺じゃ初音に合わせるなんてとてもじゃないけどできるわけがない。
「俺じゃ初音に合わせられるわけがないからマラソンはまた今度でいい」
「大丈夫だよ!私はそーくんにちゃんと合わせるから!」
「・・・わかった」
本当はかなり嫌だったけどようやく初音が下なこと以外のことを言ってくれたからその提案を受けようと思った。
そして初音が着替えると言って少し待つと・・・
「は、初音、ジャージで行くのか?」
初音はかなり動きやすそうなジャージを着てきた。それも体のラインがくっきりと出ている。
「うん♪スポーツするならやっぱり衣服もちゃんとしないとね!そーくんのも用意してるからね!」
初音は俺のジャージも用意していてくれたらしく、俺にそれを手渡してくれた。それを受け取った俺は自分の部屋でジャージに着替え、初音と一緒に家の周辺をマラソンすることにした。
ちなみに今は朝の6時半。昨日眠るのが早かったので早く起きてしまった。初音はいつもこの時間帯には起きている。
「はあ、はあっ」
「頑張れ!そーくん!」
俺の左側を走っている初音は全然息切れしていない。すごいな、それにしても・・・
「ん?どうしたの?」
「・・・・・・」
やっぱり初音はめちゃくちゃ可愛いな、改めてこんな可愛い人が俺の彼女なのかと今更再確認する。しかもいつもは髪を括っていないのにマラソンをするからと髪の毛を括っているのがまたものすごく────
「可愛い」
「え?」
しまった、声に出してしまった!恥ずかしすぎる・・・
「もしかして私のこと!?う、嬉しいよ、あ、ありがとう・・・///」
「・・・あ、ああ」
本当のことだし否定はしないでおこう。そろそろ息が上がってきた、かれこれ20分ぐらい一定のペースでずっと走り続けている、運動経験が薄い俺には難しいものがある。
「そ、それにしても、初音は、全然息が、切れないんだな」
初音は俺の方をずっと向いていて、全く息が切れていない。
「まあ、このぐらいじゃ全然平気だよ!」
流石初音だな、尊敬する。
「初音は流石────」
俺は顔を初音の方に向けて、初音に話しかけようとした時に、右足が躓いてしまった。
「うわっ───」
「っ!」
「・・・え?」
俺が転びそうになったら初音が俺のことを左腕で抑えてくれた。
「大丈夫?そーくん」
「・・・・・・」
改めて惚れてしまいそうになった。
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