第300話えっちなゲーム
「そーくん!一緒にゲームしない?」
「え?ああ、別にいいけど」
梅雨入りまじかというところの今日この頃、俺は家でいつも通り生活してたが、初音にいきなりゲームをしようと誘われた。特に断る理由もないため、俺はそれを承諾した。それにしても定期的に初音とゲームしてる気がするな・・・
「どんなゲームをするんだ?」
「やってみればわかるよ〜」
そういうと、初音はものすごく早いタイピング速度でパソコンを操作した。一体どんなゲームだろう。恋愛ゲームとオンラインゲームを確か過去初音としたんだっけな。なら今度は被らせてこないのか?でも恋愛ゲームは被ってたしな・・・
考えても無駄だけどやっぱりこの閉鎖的空間だとやれることは限られてくるため、考えを講じてしまうのは仕方がない。
家の中を閉鎖的空間なんていう表現をしないのは非常に悲しいことだ。
そう考えを巡らせてる内に、初音が準備を終えたのか、俺に画面を向けてきた。そこで俺はとある異変に気づく。
「あれ、タイトルからじゃないのか?」
「うん、タイトルは省略しちゃってもいいかなって」
ええ、俺的にはゲームはセーブデータを作るところからやりたいんだけど・・・残念だ。見たところによるとテキストゲームみたいだ。早速物語が進んでいる。
『セック──しよ?』
いきなりなんだこのゲームは。俺の中では言い方が悪いけどクソゲーになる。
1『わかった』
2『仕方ないな・・・』
「・・・・・・・」
なんだこのあってないような選択肢。
「な、なあ初音、やるゲーム間違えてないか?」
「間違えてないよ?」
あまりにも普段通りの初音を見て間違いではなかったことを確認する。なんでこんな危ないゲームを彼女の目の前でやらされないといけないんだ。しかも展開が急すぎて全く感情移入もできない。とりあえずせめてもの抵抗として2を選択しておこう。
『仕方ないな・・・』
『わあ〜!ありがとっ!じゃあ今からセック────』
『はっ・・・!』
(なんだ、今のは夢か)
やばい、本当にクソゲーだ。あの急な展開だけでもクソゲーだったのにそこに夢オチまで加えられと申し訳ないけどクソゲーと言わざるを得ない。
『あ、起きた?』
(そう近くで声をかけて来たのは彼女のまきだった)
『じゃあ早速出すもの出してあげるから早く脱いで!』
(そういうと、まきは俺のズボンを強引に脱がせようとしてきた)
「待て待て待て待て」
このゲームはなんなんだ?登場人物が主人公含め異常者しかいない。
「初音、このゲームのタイトルはなんて言うんだ?」
「・・・まだ秘密」
なんでだよ。
「とにかく進めよ?」
「進めよって・・・ここからの展開なんて正直2人で見るような内容じゃないと思うんだけど・・・」
それでも初音は沈黙を貫き通して来たのでとりあえず進めることにした。もしかしたら俺の考えが汚れているだけなのかも知れない。
しばらくそんな展開が続いて最終的に・・・
(そしてとうとう、俺の───をまきの───に───)
「初音!!なんなんだこのゲーム!!明らかに内容が普通のギャルゲーとかとは違う!行き過ぎだ!」
「じ、実はこれ、えっちなゲームなの・・・///」
今更何をそんなことで照れてるんだ。俺としてはもうその辺の問題は片付いてるんだ。それよりなんでこんなゲームを持って来たのかの説明を求めよう。
「こ、これでそーくんが発情してくれたらいいなぁ・・・って」
「するわけないだろ!」
わからない。もしかしたら他のゲームならちょっとばかし興奮したのかも知れない。エロゲーとはそういうものだし。かといってこの作品では興奮できるものもできないだろう。
「・・・因みにタイトルは?」
「・・・ドピュドピュ彼女」
「・・・・・・」
その後俺と初音はなんとも言えない空気感で過ごした。
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