第285話3人目の転校生
「今日は転校生を紹介しまーす!少し前に最王子くんと桃雫さんが来たばかりですが、またまた転校生君が来ました!その名も!」
「・・・・・・」
「えっ、ちょっと!ここは名乗るところだよ!」
「え、ごめんなさい、天銀と言います、これからよろしくお願いします」
「なっ・・・!」
天銀がなんでこの学校にいる、っていうか来たんだ?わけがわからない。昨日の電話はもしかしてこのことを伝えなかったのか?なら最初から伝えろ!
「じゃあ、席はー、最王子君の右斜め前ねー」
「はい」
えっ、左が初音で前が結愛で左前が天銀って・・・席的に女子の配分がおかしい。ここは先生に言って席を変えてもらおう。
「先生、それだと男女比が───」
待てよ、もしかしたら男としてここに紛れ込んでるのか?それなら先生がこの席順に天銀を置いたことにも納得がいくけど・・・本当にわけがわからないな。
「男女比・・・?」
初音が不審がっている。まずい、もし初音に天銀が女性だとバレたら相合傘をしてたって言っちゃったし、俺の人生は終わる。その時は知らなかったなんていう言い訳は絶対に通らないだろう。
「い、いや、なんでもない」
っていうか初音は天銀に依頼する時性別とかは調べなかったのか?・・・わからないな、初音ならそのぐらい調べててもおかしくないのに。
俺がそんなことを考えていると天銀が俺の右斜め前の席に座った。
「よろしくお願いします」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
初音と結愛は無言で返す。・・・これは気まずいな。
「よろしく」
これはさすがに空気が重いので、俺は一応返事をした。初音と結愛は天銀のことを男だと思ってるため、俺が返事を返しても特に何も言ってこなかった。天銀がうまく性別を隠しきってくれないと・・・俺の人生が終わる!
「それにしてもなんでまた転校生がこのクラスなんだ?俺が転校してきて次に結愛が転校してきて今は天銀・・・転校生が全員このクラスに配属されてる気がするんだけど・・・」
「僕は転校する際に、クラスを指定させていただきました」
「私も〜♪」
「し、指定・・・?」
ちょっと待て、俺はそんなことさせてもらえなかった。普通に転校手続きの時に何組に配属されるかって言う紙を渡されただけだったのに・・・そうか、途中から転校してきた人は選べるってことか?俺は始業式の時だったから・・・まあいいか。別にクラスを選べても知り合いがいなかったら意味がないし、初音がいたなら結局初音の権力的なやつで意味なんてないか・・・
「では、これからよろしくお願いしますね」
「あ、ああ・・・」
それにしても学校の中でも帽子してるのか・・・どうでもいいな。そんなことを考えていると一限目のチャイムが鳴った。
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