第202話総明の浮気回数は百回
その後も俺は赤ちゃんをあやすようにしておかゆを食べさせられた。何が「ふーふーしてあげるね」だ、なんで高校生にもなってそんなことを彼女に言われないといけないんだ。
「はあ、初音、もう十分だろ?早く手錠を外してくれ、浮気なんてする気ないから」
「そう言って過去に何回ぐらい浮気したと思ってるの?百回は超えてるよ?」
「百回!?」
確かに今まで浮気しかけたこともあったけどそれは結愛だけだったはずだ。まあ初音視点では何故か霧響も浮気対象の一人になってるらしいけど・・・あとはまあ月愛とか師匠とか・・・?俺が最近関わった女性って言うとそのぐらいだと思うんだけど・・・
「うん、まずはすれ違った女に女店員に一緒の電車に乗った女に一緒の本屋さんで隣になった女──」
「待て待て、そんなに浮気なんてしてるわけないだろっ!」
「でも1M以内に入ってたよ?」
「そんなの電車とか本屋さんとかなら仕方ない・・・ですよね?」
今の身動きが取れない状況で完全に反抗態勢をとってしまうのはさすがに身の危険を感じるからちょっと申し訳程度に敬語を添えておいた。
「でも胸とか顔見てたけど?」
「顔見るぐらいはまあ、胸は・・・そのー、うーん・・・」
そんなの覚えてないな。仮に見ていたとしてもそれは無意識なわけだし。
「無意識的にだから仕方ないというかなんというか・・・」
「無意識的とか意識的とかそういう話じゃなくて問題はなんで他の女の胸なんか見てるのかってこと」
「う、うーん・・・」
っていうか思春期真っ最中の俺にそんな最大の課題をぶつけないでほしい。俺としてもできる限り見ないように心がけてるんだ。まあ、霧響は妹だからそんなの意識しなくていいし、初音は────
`シュッ`
「えっ・・・」
俺の横に刃物・・・投げナイフ的なやつが刺さっていた。
「今何考えてたの?」
「えっ、いや、初音が彼女でよ、よかったなあって・・・」
「・・・そうだね、こんなに浮気しても受け入れてくれる人なんて私以外にいないんだからね?」
初音は呆れ顔で壁に刺さった投げナイフを回収する。その顔をしたいのはこっちな気がするんだけど・・・
「とにかくそーくんが浮気した回数は百回を超えるんだから、そーくんは一万回私に誠意を見せないといけないんだよ?」
「せ、誠意・・・」
「だから今こうして拘束してるのも誠意のうちの一つなんだからしっかりと反省しておいてね?」
「・・・わかった」
確かに彼女がいるのに他の女性の胸を無意識とはいえ見ているのは最低だろう。それは反省しよう。ただ、百回は絶対に見てない。それだけは断言できる・・・
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