第113話初音と七海先生の電話
「まあ、とにかく一応学校に休みの連絡入れないといけないから私はいったん部屋に戻るね」
「あ、ああ」
と、そーくんはちょっと不満げに言っていたので私はそーくんに釘を刺しておく。
「あっ、因みに私が電話してる間にこっそり外に出ようとか考えないでね?監視カメラで見てるから」
「わ、わかってるって・・・」
そして私はそう釘をさすと自分の部屋に入った。
「・・・・・・」
はあ、そーくんにも困ったもんだよね。隙さえあればすぐに浮気しちゃうなんて・・・他のダメなところは可愛く見えるのに浮気癖だけは可愛く見えないんだよね・・・
浮気癖も含めてそーくんのことを可愛いと思えたら良いんだけど、やっぱりそれだけはダメ。
「えーっと」
私は休みの連絡を入れるために学校の電話番号に電話をかけた。
「はい」
と、電話の向こうから女教師の声が聞こえる。この声はあの担任の女だ。まあ、どうでもいいけど。
「2ー2白雪初音です、最王子総明君と私は今日‘体調不良‘でお休みします」
「そう?わかったー、けど・・・嘘でしょ?」
「いえ、嘘じゃないですよ?」
この女は少し癪に障る部分がある。前に私とそーくんの関係に亀裂が入った・・・っていうか今でもそーくんはその考えに少し纏わりつかれている‘嫉妬‘という考え方。あれはそーくんがこの女と二人きりで職員室で話してからだった。つまり、この女がそーくんに何かを吹き込んだからだ。でも、今更こんな女の相手なんてしてられない。今はあの女もいるし、これ以上相手を増やすのは‘面倒‘だ。
「ふーん、そう?まあいいけど、じゃあ体調不良の詳しい理由を教えてくれる?」
「どうやら風邪みたいです」
「二人とも?」
「同棲してるのでおかしいことはないと思いますが?」
「ふーん、白雪さんは大丈夫かもだけど最王子君は前も脱水症状になってたし心配だね、大丈夫?」
「ご心配なく、先生に心配されるまでもないです」
「・・・・・・わかったよー、じゃあ明日は元気に登校してね?」
「・・・はい」
そして私は電話を切った。
「・・・・・・」
あの女、やっぱり癪に障る。解雇にしてみても良いんだけど、そんなことをしたら今度こそ教師という立場がなくなったことで自由になり、何をしてくるかわからなくなるからそんな危険な真似はしない。
「よし、そーくんも待ってるだろうし、早くそーくんの部屋に行こっかな」
そして私はそーくんの部屋に向かった。
「・・・ん?」
私がそーくんの部屋の扉を開けるとそこには上半身が裸のそーくんがいた。
「・・・・・・」
いや、かっこよすぎて死んじゃう・・・///
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます