第104話結愛の家
俺たちはその後結愛の家に向かうことになり、さっそく今結愛の家に向かっているんだけど、俺は本当に簡単な疑問を持った。
「結愛の家はマンションなのか?それとも一軒家とか?」
「んー?一軒家だよ?」
一軒家なのか、今までは初音と・・・いや、初音のことはできる限り思い出さないようにしよう。とにかく今まではマンション生活だったから一軒家だとなんか色々と慣れないこともあるかもしれない。
「あっ、もしかして不安なの?大丈夫だって、私が全部やってあげるからーー」
「それだと二の舞になるかもしれないから少しぐらいは俺にもやらせてくれ」
「・・・そうだね、わかった」
そうだ、できることは自分でやらないと‘また‘依存してしまうことになる。しばらく俺は考え事をしながら黙々と結愛について行っていた。するとやがてーー
「着いたよ」
そういうと、俺たちはいつの間にか一つの家の前に来ていた。
「ここがそうなのか・・・」
前のタワーマンションと思ったより近かったな。っていうか徒歩10分ぐらいじゃないか?まあ同じ学校に通ってるんだし、もしかしたら家が近いっていう可能性も考えてたんだけど・・・
「どう?これ新築だよ!」
「新築!?」
「うんっ!お花見の時にそーちゃんに発信機付けたでしょ?その時にそーちゃんの家の住所がわかったからその近くに新築を立てたんだよね♪」
「新築って・・・」
いや、何円かかるんだ?もしかして結愛もお金持ちだったりするのか?
「・・・・・・」
いや、考えないようにしよう。とにかく新築でまだ綺麗ってことなのか。
「二階建てか・・・」
「そうだよっ!あっ、一応そーちゃんの部屋と私の部屋は別々で別れてるから安心してね♪あ、でも私の部屋に来たくなったらいつ来てもーー来たかったら来れば?」
「だからその下手なやつはやめてくれ・・・」
もうこれも何度目かわからないな。まあ、今はこんな冗談にも少し救われたりするけど・・・
「じゃあ早く入って♪」
「ああ」
そして俺と結愛は2人で家の中に入った。
「・・・・・・」
至って普通の家だな。前の家は高級感がありすぎてたまに落ち着かなかった時もあるけどこの家ではそんなことは無さそうだ。
「・・・ん?前の家?」
「結愛、そういえば俺のフィギュアとかって持ってきてくれてーー」
「無いよ?」
「で、ですよねー・・・」
どうしよう・・・あれは一応初音との思い出の品として持ってきておきたかったんだけど・・・
「悪い、ちょっとだけ待っててくれ」
「え?どこ行くの?」
「ちょっと出てくるだけだから」
「だからどこにーー」
俺は結愛の言葉を無視するように‘前の家‘に向かった。
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