第77話初音と水族館
今日は休日で初音とデートに行くことになっている。前は遊園地だったけど今回は水族館に行くらしい。水族館には片手で数えるぐらいしか行ったことがないので若干楽しみだ。
しかも恋人のデートスポットと言われて真っ先に思いつく場所と言われたら間違いなく映画館と水族館だろう。そのうちの一つに初音と一緒に行けるんだから楽しみでしかない。
さすがに水族館ならこの前みたいにかっこ悪い姿を見せることも無いだろう。
そしてまたしてもなぜか待ち合わせ形式だ。本当になんでいちいち待ち合わせなんだ。一緒に目的地まで行く楽しみとかそういうのはいらないのか?
「だーれだっ!」
優し気な初音の声が後ろから聞こえる。てで目隠しをされているようだ。初音の空気間に合わせ俺もふざけてみることにした。
「だ、誰だろうなー」
「は?何言ってんの?私に決まってるでしょ?それとも私以外にそーくんに後ろから抱き着く女がいるの?ねえ、それって浮気だよね?」
いや、そんな変わり身は聞いてない。
「待て待て、冗談だって!」
「でも私浮気を疑わせるのような冗談は良くないと思うよ?」
「わ、悪かったって」
今の「誰だろうなー」だけで浮気を疑うのは初音ぐらいだと思うんだけど・・・もしかして女の子ってみんなこうだったり・・・?なわけないよな、はは。
「じゃあお詫びとして私の胸揉んで?」
「あ、ああ、わかっーーは!?何言ってんだよ!こんな外で!」
「外じゃなかったらいいの?」
初音がにやっと笑う。この悪魔め・・・
「そういう意味じゃない!ほら、はやく遊園地行くぞ!」
俺は焦るようにして早歩きをする。ちなみに初音の服装は至って普通のスカートに普通の服だ。下も上も青色で揃えられている。
「待って、そーくん」
「えっ、な、なんだよ、いきなりしおらしくなってーー」
「可愛い?」
「えっ、ま、まあ、初音はいつでもか、可愛いと思う・・・」
「ありがとっ!そーくんも最高にかっこいいよ♥」
な、何を言わせるんだ、は、恥ずかしい・・・
そして俺たちは電車で水族館のある駅まで移動し、駅から水族館の前までは徒歩で移動した。
「おお・・・すごいな」
水族館は俺が思っていたよりもかなり広そうだ。そこらへんのデパートの二倍はある。
「毎度毎度どうやってこんなすごそうなところのチケットをーー」
「そーくんが望むなら何でもしてあげるよ?」
「何でもって、そういう冗談を軽々しくーー」
「何でもしてあげるよ?」
こ、これは冗談じゃない気がしてきた。話題を変えよう。
「わ、わかった、は、はやく水族館の中に入ろう」
そして俺たちは水族館の中に入った。中で‘あの子‘と遭遇するなんて知らないまま・・・
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