第68話総明の塩対応

 今俺と初音は下校している。そして初音が俺にいつになく話しかけてくる。




「ねえ、そーくん、どうしたの?」




「・・・・・・」




 だが俺は徹底的に無視を決め込む。もし初音が依存ならそれは早く俺と別れさせないとだめだからだ。今回ばかりは何をされようとも引くわけにはいかない。




「ねえってばあー」




「・・・・・・」




 俺が初音に塩対応されてた時のことを思うと胸が痛いけど・・・仕方ない。


 そして俺はなんとか家までだんまりを決め込むことに成功し、自分の家に入り、すぐに鍵をかけた。




「ふう・・・」




 とりあえずこれでご飯の時さえ凌げれば今日はもう初音と顔を合わせなくてすむ。




「・・・・・・」




 それにしても恋じゃなくて依存かあ・・・そいいうのって結婚してからぶち当たる問題とか聞いたけどなんで高校生の俺たちがもうぶち当たってるんだよ・・・




「依存か・・・」




 俺は今まで初音の異常さをただのヤンデレ的なポジションで見てたけどもしかしたら、あの異常な行動は依存によるものなのか?だとしたらすべてにつじつまが行く。そもそも普通の女の子が依存でもない限り俺にあんなに執着してくるわけ無いしな・・・




「だとしたら、やっぱり別れるべきだな」




ー初音partー


『だとしたら、やっぱり別れるべきだな」




「・・・・・・」




 私は自分の部屋でそーくんの写真に囲まれながらそーくんの部屋に設置してある隠しカメラでソー君の様子を見ていた。・・・やっぱりそーくんの様子がおかしい。




「あの女・・・」




 やっぱり無理やりにでも止めておくべきだった・・・あの女教師がそーくんに何か吹き込まれたんだ。でも、最近までほとんどそーくんと私の関係は順調だった。




「だとしたら・・・」




 やっぱり価値感操作・・・?しかない。こんなに順調だったことをひっくり返すのに必要なのは根底を覆す・・・つまりは価値観を歪ませること。私もたまにそーくんにやるからわかるけどそーくんはころっと騙されやすい。詐欺に引っ掛かりやすいタイプ。


 とりあえずそーくんに話を聞かないと。この感じだとご飯までは部屋から出てこなさそうだし。とりあえずご飯作らないと。


 そして私はできる限りゆっくり食べられる鍋料理を作り、そーくんの部屋に鍋を持っていく。




「そーくん、ご飯できたよー、開けてー」




「ああ・・・」




 そしてそーくんはどこか元気がないような感じで部屋の扉を開けてくれた。


 ここでなんでそんなに私を避けてるのかを聞かないと!私はそーくんの‘彼女‘なんだから!


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