第67話恋ではなく依存?
今日は先生が俺に何か話があると言い俺のことを職員室まで呼び出した。先生というのはもちろん七海先生のことだ。っていうより俺には七海先生以外の先生の知り合いなんていない。・・・師匠ならいるけど。
「先生、話ってなんですか?」
できる限り早く話を切り上げたいので俺はさっそく本題に入ることにした。ここに来るまでも初音がずっと先生と俺の浮気を疑っていたが、何とか押し通してここまで来た。だからそんなに話を長引かせるとまた初音に浮気を疑われかねない。
「白雪さんって、どこか悪いの?」
「・・・はい?」
先生から衝撃の言葉が飛んできた。どこか悪いってなんだ?病気とか?
「いえ、特には・・・」
「ふーん、じゃあ、精神が病んでるとかは?」
「はい?だからそんなことーーーー」
・・・待てよ、病んでる?病んでるって、ヤンデレの部類ってことだよな?・・・ひ、否定できない。けど、ここは一応彼氏なんだし否定しておくべきかもしれない。
「そんなことないです」
「今の間は何かな?」
「はは、間なんてないですよ」
俺は苦笑いを先生に返した。・・・え、もしかしてこの人も洞察力お化け?
「まっいいや、じゃあ本題だけど、なんであんなに白雪さんは君に‘依存‘してるの?」
「えっ・・・」
い、依存?
「だって、おかしいでしょ、君が来るまでは完璧優等生だった白雪さんが今はあなたに依存してるなんて・・・まあ、私は新卒だから前のことは知らないんだけどね?」
「は、はあ・・・」
初音のあれは恋心じゃなくて、依存なのか?でも確かにそうだ、普通好きな相手を傷つけたり監禁したりなんてしないはずだ。でも、初音がそんなことをするってことはあれは、恋心じゃなくて、依存・・・?
「で、どうしてなの?」
「いや、別に・・・」
俺はそんな感じで誤魔化したが、先生は特に深くは聞いてこなかった。
「まあ、いいや、じゃあ最後に一つだけ・・・もし白雪さんが依存してるなら早く関係を切った方が良いよ、それが白雪さんのためでもあるし、最王子君のためでもあるから」
そう教師っぽい言葉を最後に、俺は職員室を後にした。
「・・・・・・」
こ、今後を揺るがす問題だ。・・・ちょっと心苦しいけど試してみるしかないか。この前‘初音がやっていたこと‘を初音にしてみるか。
そして俺は意を決して初音が待っている校門前に向かった。
「あっ、そーくん!何の話だっーーーー」
「帰るぞ」
俺は初音の言葉を遮るように校門を出た。・・・そう、この前初音もやっていたこと。
「塩対応だ・・・」
やられたらやり返すじゃないけど、結果的にそんな感じになっちゃうかもな・・・
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