第45話観覧車での出来事
なんかギャルみたいなお姉さんたちが二人で話しかけてきたけど、初音が追い払ってくれた。
「ん?初音はそういえばどこに行ってたんだ?」
俺はふと疑問に思っていたことを聞く。
「ああ、ごみ留場にゴミを捨てただけだよ」
「そ、そう?ならいいけど」
ゴミ箱にごみを捨てに行ったわりには空のペットボトル持ってるけど捨て忘れたのか?
「そーくん!次はあそこ行こー!」
と、言って初音が指さしたのは観覧車だった。
「うん」
俺は別に高所恐怖症でもないのですんなりと承諾すると、30分ほど並んで観覧車に乗ることができた。・・・っていうか観覧車に並んでる人達の役9割がカップルでなんかものすごく気まずかった。
「ラブラブな人たち多かったねー、まあ私達には負けるけど♪」
「は、はは」
初音はどうやら優越感に浸っていたらしい。どうやったらカップルだらけの場所で優越感を感じられるんだ?なんていう疑問を持ちながら観覧車に足をかけた。
・・・久しぶりに観覧車に乗ったけど観覧車ってこんなに狭かったっけ。いや、俺が昔来た時より大きくなったからそう感じるだけか・・・
「あ!そーくん!外見てみてー!!」
と、初音が指さした外は、もうすっかり夜になっていた。そして、高いところから見る街並みはまだまだクリスマスでもないのにイルミネーションを連想させるような綺麗さだった。
「綺麗だな・・・」
「そーくんの方が綺麗だよ♥」
「あ、ありがとう・・・」
・・・なんかそれ逆じゃね?
「あー、明日ようやく答えの日だねー!」
「あ、ああ」
っていうかまだ俺が転校してきてから一週間しか経ってないのか・・・一週間でいろいろありすぎだろ。
「楽しみだなあ」
「そ、そうか?」
もしかしたら俺が断るかもしれないっていうのは頭の中に無いのか・・・?それともそれをわかったうえで楽しみなのか?・・・いくら考えても初音の思考は読めそうにない。
「ねえ、そーくん」
と、外は暗いため、初音の顔は良く見えないがどこか涙声のような気がした。
「明日・・・ううん、やっぱりなんでもない」
と、初音は何かを言おうとしていたみたいだけど、すぐに取り下げた。・・・おそらく何かを強制しようと考えたんだろうけど、考えを改めたんだろう。・・・本当に変わったなあ。
「だけど・・・」
と、言って初音が席から立ち、こっちに顔を近づけてきたかと思うと・・・
「・・・んっ!」
初音が俺の唇を奪ってきた。
「な、なにやってーー」
「私が今できる最大のアプローチだから///」
と、顔は見えないけど照れてそうな声が聞こえてくる。
「そ、そうか・・・」
そして俺たちは観覧車を降りて、ちょっとだけ遊園地のグッズを買ってから自分の家に帰ることにした。やっぱあり初音は変わってきている気がする。今までの初音ならないふり構わなかっただろう。でもまあ・・・観覧車での出来事もだいぶ衝撃が強いけどお化け屋敷もだいぶ怖かった・・・あれは軽くトラウマだな。
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