第43話遊園地のお化け屋敷は虫だらけ

 遊園地に来た俺はだいぶ驚愕した。なぜなら人口が多すぎるからだ。いや、まあ、遊園地だから追野は当たり前だと思っていたけど、まさかこんなに多いとは・・・普段はあんまり遊園地とか来ないから知らなかった。




「それにしても・・・」




 広すぎる・・・遊園地ってこんなに大きかったっけ?まあ、ここは都会の遊園地だからだろうけど・・・




「そーくん!どこから行く?」




「んー・・・」




 そして、俺は周りを見渡す。何かいいところはーー!




「初音!あそこにしよう!」




 俺は明らかにお化け屋敷みたいなところを指さした。ここなら初音の可愛いところを見れるかもしれない。女の子なら「きゃあ!」とか、「怖いよー」とかいうはずだ。そうしたら俺の迷いも吹っ切れるかもしれない!




「私は別にいいけど、そーくんはいいの?」




「え?別に、そんなホラーとか苦手じゃないし、大丈夫だと思う」




 そう、俺は心霊映像とかホラー系の漫画とかで怖くなったことがあまりない。まあ、お化け屋敷とかは入ったことがないけど、俺をなめないでほしい。




「普段誰と一緒にいると思ってるんだ・・・」




 そう、俺は普段初音という悪魔と生活している。悪魔とお化けなんてどっちが怖いか、そんなことは言わなくてもわかることだろう。当然悪魔の方が怖い、つまりは悪魔との生活に慣れてきた俺にとってはお化け屋敷なんて小指でひねるようにーーーー




「ぎゃあああああああああああああああああああ!!!!!」




 俺は今約5分前の俺を殴りたい気持ちでいっぱいだ。そう、このお化け屋敷、かなり特殊で人間がお化け役をするのではなく、虫がお化けの役割を担っており、犬などがお化けの被り物をして驚かせてくる。入口に〔訓練されているので安全です〕とか書いてたけどそういう意味だったのか!っていうか俺は虫は苦手なんだ!!




「だから私言ったでしょ?」




 そして、俺が公開しているもう一つの理由は初音が全く怖がっていないこともある。何が女の子なら「きゃあ!」だよ、初音は一回も悲鳴なんて上げていない。そうだ、何で気づかなかったんだ!


 悪魔がお化けを怖がるわけないだろ!!本当にバカなのか!?俺は!!




「は、初音、こ、これって、後ろに戻れないのか?」




「ゴールするまでは出られないよー」




「は!?そんな鬼みたいなところなのか!?」




「だからここ並ばずにすぐに入れたんだよ?ここに入る人なんていないから、テレビとかでも世界一怖いお化け屋敷って有名なんだよ?」




 そういうことか・・・通りでほとんど並ばずに来れたわけだ・・・




「怖いなら手繋ぐ?」




「別に怖くなんかーー」




 ぎゅっ




「ちょっ!」




 初音が俺の手を繋いできた。だけど、その繋ぎ方が普通の繋ぎ方じゃなくてーー




「なんで恋人繋ぎなんだ!?」




「え?じゃあ手繋がなくてもいいの?離すよ?いいんだね?離してもいいんだね?」




「ま、待て!わ、わかったから、こ、このまま行こう」




 不満はあるけど、このお化け屋敷は怖すぎる。俺は画面越しにしか見たことがない毛で、お化け屋敷ってこんなに怖いのか・・・やっぱり実際に体験すると怖いんだなあ。今まで「絶対にそんなに怖くないだろ・・・」とか言ってすいませんでした。ラノベさん。




「もう、最初からそう言っとけばいいんだよ!もう、そーくんには早く照れ屋さんなところも治してもらわないといけないね♥」




「そ、そう、なのか?」




 そうして俺は虫床、動物鬼ごっこ、蜘蛛の巣迷路、などと言ったほとんど拷問のようなお化け屋敷をなんとかゴールした。そして、俺はゴールすると同時に・・・




「ごめん、初音、ちょっとトイレ!」




 と、俺はすぐにトイレへと向かった。気持ち悪すぎて、や、やばい・・・




「そーくん可愛い♥あーあ、あの時間が永遠に続けばなあ・・・」




 そして、俺はトイレで若干戻し、初音の所に戻っていった。ほ、本当にトラウマになった・・・


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