第39話生徒会初仕事

「な、なんだこれ・・・」




 とても生徒会の仕事とは思えないものすごくふざけている紙だ。イメージとしては、サイゼリヤのメニューのように、‘笑顔‘とか‘握手‘とか書いてある。




「えっと、これ何?」




「ん?それで、私が仕事途中に選択するからそーくんはその通りにしてくれたらいいんだよ!」




「・・・は、はあ・・・」




 な、なんなんだそれ、そんなのまるで・・・




「俺はキャバクラじゃないんだぞ!」




「キャバクラ?なんでそーくんがキャバクラのことを知ってるの?もしかして私に隠れて通ってたりするの?そういえば浮気する人はまずは妻から隠れてキャバクラに通うとか聞いたことあるけど・・・もしかして本当に?だとしたらどこの?教えて?今すぐ潰しにーーーー」




「待て待て待て待て、イメージの話だ!俺未成年なのにそんなところに行けるわけないだろ!?」




「・・・それもそうだね」




 なんで普段は頭が切れるくせにこういう時だけ急に頭が悪くなるんだろう・・・恋は人を盲目するとか聞いたことがあるけど、普通はこんな感じなのか?それとも、初音が異常なのか?




「ああ!もっと恋愛しとけばよかったあああああ!!」




「え、何?堂々と浮気宣言?」




「・・・すいません」




 もっと恋愛しとけば基準が分かったのにと心の中で豪語するつもりがまさかの口に出してしまった・・・




「まあ、いいや、じゃあ、さっそく仕事ね」




 と、言うと、初音はその項目の一つである‘抱き着く‘を選択した。




「えーっと、抱き着かないとダメなのか?」




 初音は頷く。俺はため息をつきながら初音に抱き着いた。




「落ち着くー♥」




「は、はは、あ、ありがとう」




 ・・・これどこのホスト?っていうかなんで生徒会長もこんなの許可したんだ?今度会う機会が合ったら問いただしてみよう。それにしてもあの人顔の割には本当に内気そうだったな。でもその割には首に拘束具じゃないけどチョーカーみたいなものを付けてたし。でも、髪の毛とかも若干クリーム色だった気がするし、なんていうか可愛い人だっーーーー




「ねえ、抱き着きながら他の女の子と考えてない?わかるよ?」




「へっ!?いや、はは」




 俺は誤魔化すように手の力を強める。っていうか抱き着いているだけで相手の心を読めるとか・・・メンタリストとかになった方が良いと思う。




「はーい!これでお仕事頑張れるよー!!ありがとー!!」




「あ、そ、そうか、よ、よかった」




 と、なぜかいきなり元気になった初音に俺は驚きを覚えつつ初音の仕事の速さに驚愕した。部費の整理や生徒会人員のスケジュール設定などをしている。もちろんパソコンのタイピングなども早いけど、紙の書類に文字を書く作業も早い。しかも字が女の子らしいきれいな字だ。




「おお・・・」




「もしかして見惚れちゃった?」




 と、全く作業の手を緩めずいつもの調子でからかってきた。




「べ、別にそんなんじゃ・・・」




「照れなくていいよ♥そーくんにならいつ見惚れられても嬉しいし♥・・・はあ、なんであんなゴミにまで見惚れられないといけないんだろ・・・」




 最後なんか聞こえた気がするけど、そこはスルーしよう。そして、そんな調子で約30分ほどで初音は生徒会の仕事を終えた。結局生徒会長さんは来なかったな・・・




「そーくん、またなんかほかの女のこと考えてない?」




「そ、そんなことないって」




 ・・・初音の近くで他の、特に女の人のことを考えるのはやめておこう。


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