第38話強制生徒会就任

 俺はもう初音の家のことを詳しく詮索することはやめることにした。これ以上初音の怖い部分を知ってしまったら俺が正気を保っていられるかわからないからだ。そして、放課後になった瞬間に初音に声をかけられた。なんとなく嫌な予感がする。




「そーくん、今日暇?っていうか暇だよね?私と今日は用事ないもんね?」




「あ、ああ」




 用事=初音との用事になっているあたりがもう怖いけど、こんなのはもう慣れてしまったな。




「ちょっと生徒会室まで来て!」




「・・・え?」




 まさか、さっきの初音がした校則の追加の件で怒られるとか?だとしたら完全にとばっちりだ・・・




「ち、ちなみにその用事ってーー」




「前に話してたこと!決まったから!」




 ・・・ま、前に話してたこと?ここで「あえに話してたことってなんだっけ?」とか言ったら「え?何?私との会話を忘れたの?」とか言われそうなので小さく頷いておく。


 それのしても、前に話してたことってなんだ?・・・だめだ、思い出せない。そんなことを考えながら生徒会室に向かい、やがて着いた。




「入りまーす」




 と、言いながら初音は扉を開けた。中を見渡すも特に誰もいない。




「じゃあ、そこの椅子に座って」




「椅子・・・?」




 椅子椅子・・・え、まさか・・・あの電気椅子!?




「あんな電気椅子に座れるわけないだろ!」




「ああ、違う違う、そーくんにそんなひどいことするわけないじゃん、普通にソファーに座って」




「あ、ああ」




 そんなひどいことするわけないじゃん、か。前の脱水死未遂事件はそんなひどいことに入らないのか?っていうか‘そーくんに‘って、もしかして、他の誰かには・・・考えないようにしよう。




「で、あの話の件なんだけど、生徒会長が認めてくれたよ!」




「へ、へえ・・・」




 だからそのあの話が何かわからないんだって!




「いやあ、なんとか‘生徒会副会長癒し係‘の座にそーくんを就かせることができるよー」




「はあああああああ!?」




 やばいやばい、今日驚きすぎて心臓が止まるかもしれない。っていうかあの話本気だったの?確かに何日か前にそんなことを言っていたような気はするけど・・・




「ん?何驚いてるの?」




 そうだった、初音は俺がそのことを覚えていると思ってるんだった・・・




「い、いや、う、嬉しすぎて、はは」




「そう?まあ、そうだよね!最近私よく生徒会室に入り浸って生徒会長に交渉してたんだー♪」




 あー、最近よく用事あるとか言ってたのはそういうことか・・・




「っていうことで、さっそく仕事してもらうよー♪」




「・・・は!?いやいやいや、俺はいるとか言ってないんだけど!?」




「え、何?入らないの?私がそーくんといる時間をだいぶ削ってまで作った私とそーくんの場所なのに?」




「い、いや、それは・・・」




「そーくんが約束を破ったりしてる間も私は頑張ってたのに?」




「うっ・・・」




 そこを突かれると俺は何も言えない。




「ということで、これから晴れて‘生徒会副会長癒し係‘に就いたそーくんに仕事をしてもらいます!」




「あ、ああ、で、仕事の内容は?」




「ああ、これこれ」




 そう言いながら初音は一つの紙を見せてきた。仕事内容でも書いてるのか?そんなことを考えながらその紙に目を通してみると、そこには確かに仕事内容が書かれていたけど、全く予想打にしないような書き方だった。


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