第37話初音の狙い
俺が教室に戻ると、しばらくしてから初音が戻って来た。今は昼休みだから時間を気にせずに初音に問いただすことができる。っていうかいま改めて考えると校則にするなんて、やっぱり頭が・・・考えないようにしよう。類は友を呼ぶとかいう言葉もあるけど、そんなはずはない。俺はいたって常人だ。
・・・わからない、もしかしたら客観的に見たら毒されてしまっているのかもしれない。
「初音?なんであんなことを?」
「あんなことって・・・ああ、さっき言ったでしょ?私に集る虫を近づけなくするって」
絶対にそんな言い方はしてなかったと思うけど、まあ、そんなことは言ってた。
「でも、校則になんてしなくてもよかったと思うんだけど・・・」
「そのぐらいしないとダメだって、これでそーくんに集る虫も同時にいなくなるしね♪」
やっぱり狙ってやってたのか・・・あんな風に俺だけ特別扱いされたら他の生徒は俺に不信感を抱く。そこを狙って、わざわざ俺だけ特別扱いだと、公共の場で公開宣言したんだ・・・
「い、いや、俺転校してきたばっかりであんなこと言われたら俺友達出来なーーーー」
「何?私以外に何が必要なの?」
と、またもや二次元にだけほしい状態に入る。俺はこういう世界を主観的に見たいのではなく客観的に見ていたいのに・・・神様、なんで・・・
「いや、まあ、必要っていうか、まあ、その・・・な?」
「な?とか言われてもわかんないよ?」
ま、まあ確かにそうなんだけど・・・
「っていうか生徒会で決めたって言ってたけど、こんなのを生徒会長さんが許可するわけーー」
「したよ?」
「え?」
そんなわけがない、あ、もしかして、生徒会長さんの声が若干震えていたのと関係があるのか?
「まあ、正確には‘させた‘だけどね」
「・・・・・・」
やっぱりそういう感じかあ・・・生徒会長さんには同情・・・というと失礼だけど同情してしまう。・・・ん!?待てよ!?
「初音・・・君は今ミスを犯した!」
「何その感じ・・・まあいいや、で?ミスって?」
そうだ、こんなことをすれば当然ーーーー
「俺を監禁できる条件の中に学校側に信頼されているっていうのがあっただろ?」
「うん」
「でも、こんなことをしたら、学校側はもう初音のことなんて信頼できるわけがないんだ!」
勝った!これで、同棲なんてしなくて済むのかもしれない!
「あっ、ごめんごめん、言い忘れてたっけ、この学校って私のお父さんが作ったからみんな基本的には私に頭が上がらないの」
「・・・・・・え?」
学校を作った・・・?ど、どういうことなんだ?っていうか初音のお父さんって何者なんだ?
「だから私はこの学校に転校することになったんだよ?いきなり転校するなんてよっぽどの理由があるに決まってるでしょ?そんな理由さえなければそーくんに私たちが別れた、なんて勘違いをさせずに済んだのにねー」
「そ、そんな・・・」
学校を作ったって、冗談だろ?確かに前もタワーマンション作ったみたいなこと言っていたきがするけど・・・施設を作るなんて・・・
「は、初音のお父さんってどんな人なんだ?」
「そーくん、もう、私の両親に挨拶に行く気?まあ、私的にはいつでもいいけどーーーー」
「違う!そういう意味じゃない!どんな仕事をしてる人なんだ?」
「あー、それはー・・・」
少し考えたのちに、初音が出した答えは・・・
「秘密♥」
「そうですか・・・」
と、返答を濁されてしまった。
「まあ、とにかくこれでもう心置きなく愛し合えるね♥そーくん!」
「そ、そうだなあ・・・」
・・・校則まで変えるとかあり?そのうち法律まで変えそうだな・・・いや、さすがにそれはないか。とうとう俺の頭は壊れてしまったのかもしれない。
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