第36話初音の公開宣言
あっという間に四時限目がやって来た。初音がどうこうするとか言ってたけど、何をどうしたら自分の周りにいる男子を遠ざけることができるのだろう・・・
「四限目は体育館にならんでねー、まだ身長とかは測ってないから適当でいいよー」
と、七海先生が教卓の前で声を上げた。ちなみに、七海先生はこう見えて数学の教師だ。まあ、こう見えてって、どう見えてるのかって聞かれるとだいぶ失礼なので特に考えないようにしよう。
ちなみに初音はというと、さっきの授業の最中に次の時間に用事があるからと先生の許可の元出て行った。 先生の許可を得て外に出られる用事となると、生徒会関連か・・・?まあ、わからないことを考え続けても仕方がない。とりあえず、体育館に向おう。
ー体育館ー
体育館の中はざわついている。それは当たり前だ。今日の授業工程の中に体育館でお話、なんていうのはなかった。一体何なんだ・・・初音がいなくなったタイミング的には生徒会関連だとは思うんだけど・・・
「こ、これより・・・き、緊急生徒会提示報告を始めます・・・」
あ、あの人がこの学校の生徒会長なのか?何気に初めて見たけど、なんていうか、顔にそぐわず内気そうな人だな。
「で、では、ふ、副会長の白雪さん、前に・・・」
ふ、副会長・・・初音か。っていうか生徒会長さん声震えてないか?何かあったのかな・・・
「はい」
そして、初音の声と思しき声が体育館中に響く。っていうか、初音が何を報告するんだ?
「私が報告するのは、校則の追加についてです」
校則の追加?初音のことだから校則の追加じゃなくて、拘束の追加になりそうだな・・・
「なんだね、それは」
「聞いてない・・・」
どうやら先生方も聞いていなかったらしい。
「そして、その校則の内容ですが、男子生徒は業務的なもの以外で、私と喋ることを禁じます、あ、もちろんそーくんは除名されますが・・・」
・・・は?禁じる?っていうかもちろんって何がもちろんなの?
「な、なんだね!その私利欲のための校則は!そんなもの認められるわけーーーー」
「あら、先生は日本史の担当なのに日本語が理解できないんですか?私は‘報告‘と言ったんです、これは生徒会で決まった決定事項なんです」
「うぐっ・・・」
う、嘘だろ、先生・・・そこはずばっと言ってほしかったんだけど。
「ということなので、今後男子生徒は私に喋りかけないでください、よろしくお願いします」
と、初音が言った瞬間にすぐに非難の声が上がった。
「それどういうことだよ!」
「っていうかそーくんってやつだけ特別扱いなんて、ふざけてんじゃーーーー」
「そーくんが特別なのは当たり前でしょ?何言ってるの?」
おいおい、そんなこと言われたら俺余計に友達出来なくなるだろ・・・まさか、それを狙ってるのか?あえて自分にだけ喋ってはダメという校則を作り、俺を他人から遠ざけることを目的として・・・いや、そこまで計算高いわけないよな・・・はは。
「っ!!」
初音の低い声に驚いて一同は固まっている。まあ、俺からしたらまだまだこんなもんじゃないぞ!と、いいたいところだけど、さすがにそんなことを言えるわけもない。
「とにかく、そういうことなので、では、生徒会長・・・」
そういうと、初音はもともと座っていた生徒会の人が座る席に生徒会長と入れ違いで戻っていった。
「で、では・・・こ、これにて、よ、4限目の時間は終わりです、お時間ありがとうございました」
そして、俺たち生徒は各々の教室へと戻った。・・・これからどうなるんだ、俺の学校生活
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