第34話俺の本音と浮気疑惑の真相

 俺は帰る場所をついさっきなくしたのでとりあえず学校から少しだけ離れたところにある公園に行くことにした。もしかかしたら今日は野宿かもしれないけど、今はそんなことでも、どうでもいいように感じるぐらいの喪失感を抱いていた。




「はは・・・」




 こんなにショックを受けるなんて、俺ってもしかして自分で思っている以上に初音のことが好きだったのか?だとしたら過去の自分が滑稽だな・・・




「・・・だめだ」




 完全にネガティブになってしまっている。でも、仕方ないんだ・・・




「あれー?総明?」




 近くから声がかかった。この声は昨日にも聞いた、彩音の声だ。




「どーしたの?意気消沈してるけど」




 そうだ、彩音にも伝えておいた方が良いのかもしれない。




「ああ、初音とはもう一緒にいられないことになったよ」




「・・・・・・」




 少し間を開けてから彩音が俺に問うてきた。




「へえ、なんで?」




「初音が、浮気・・・っていうか、他の男生徒に告白されててそれを承諾してたんだ、最初は何かの間違いかとも思って初音に聞いてみたけど、、そのことを認めてるみたいだったし・・・」




「お姉ちゃんが・・・浮気・・・?」




 まあ、実の姉が浮気してたなんて知ったらショックだよな・・・




「えー?絶対にそんな事無いと思うんだけどなー、一回家に帰ってみたら?」




「家に帰るなんて言っても、俺にはもう帰る家なんてーーーー」




「でも、ちゃんとは話してないんでしょ?どーせ、逃げてきたとか?」




「えっ・・・」




 まあ、確かにその通りだけど。




「だから、師匠である私が道標を作ってあげる!」




「わ、わかった、わかった、じゃあ‘初音の家‘にいったん行ってみるよ、それで、もう、全部終わりだ」




「うん!それでいいよ!」




 そういうと、彩音は笑顔で俺を出迎えた。・・・それは彩音が小悪魔だからなのか、それとも何か別の意味で笑っているのか・・・それはわからないけど、とにかく向かうことにした。




「初音、いるーーーー!?」




 俺がカギで扉を開けて、家の中に入ると、玄関で首を吊ろうとしている初音に遭遇した。




「・・・そーくん?」




「な、何やってんの!?」




 俺はとりあえず、初音が持っていたひも状のものを取り上げ、初音と話すことにした。




「な、なんで自殺なんて・・・」




「だって、そーくんに嫌われちゃったし・・・」




「ま、まあ・・・あんな光景を見ちゃったらーーーー」




「あれは違うの!」




「え?」




 そして俺は初音からそのあとの出来事を聞いた。




『うん、いいよ』




『ほ、本当ですか!?ありがとうございまーー』




『とでも言うと思ったの?言うわけないじゃん、君なんてそーくんの足元にも及ばないから、消えて』




『は、はあ!?こ、こっちが優しい態度でいてやればーーーー』




『消えて?』




『・・・チッ』




 と、言うことだったらしい。




「で、でも、なんでじゃあ一回許可したんだ?迷ってたからか?」




「そうじゃなくて、なんども告白されても面倒くさいからああやって断ってるんだよ」




 そ、そういうことだったのか・・・モテる人にしかわからないことなんだろうな・・・




「そ、そうだったのか・・・ご、ごめん、俺ーーーー」




「別にいいよ、そーくんだけが悪いわけじゃないし、むしろ私が悪いよ、本当にごめん」




 と、初音は深々と言ってきた。そして俺は、初音に自分でも驚くべき本音を言う。




「で、でも、これからはお、俺以外にはああいうことは言わないでほしい・・・」




「そ、そーくん、う、うん!そうだね!私はそーくんのものだもんね!」




 と、いつもの調子で言う。・・・今日でだいぶ自分のことを見つめなおせた気がする。




「じゃあ、俺は着替えてくるよ」




「うん!お料理作って待ってるね!」




 そして俺は‘俺たち‘の家の俺の部屋で着替えることにした。






ー初音partー




「・・・・・・」




 まさか、そーくんがあんなことを言ってくれるなんて・・・///幸せ・・・だけど、本当に失敗した。これは今までで一番失敗した。まさか私が浮気したと思われちゃうなんて・・・




「そうなったのもすべて、あのゴミ以下の存在のせいだ」




 あいつには然るべきを与えないといけない・・・絶対に許さない。


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