第26話初音と添い寝

 俺が着替え終えて、自分の部屋に戻ってからしばらくすると、俺の部屋の扉が開いて、お風呂上がりで少し色っぽい初音に内心一瞬ドキッとしつつも、俺はいけないいけないと首を横に振り、考えを改めた。


 それにしてもなんだかいい匂いが・・・いやいや、冷静になれ、俺。っていうか初音の姿が露出度が高すぎる。薄いワンピースのような服を着ている。




「は、初音?そ、その恰好は?」




「え?いつもの寝るときの格好だけど?」




「そ、そう・・・」




 いや、それも男子高校生には刺激が強い!




「じゃあ、早く一緒に寝ようよ!」




「いやー、俺も一緒に寝たいんだけど、このベッドじゃ狭ーー」




「別に大丈夫じゃない?確かにちょっと狭いかもだけど、そーくん細いし」




「そ、そうだね、はは」




 女の子に細いと言われてしまう俺の気持ちにもなってみてほしい。そして俺は先に布団に入り、できる限り壁際に詰めた。そして、初音も隣に入って来た。のだが・・・




「は、初音?もうちょっと空いてるお思うんだけーーーー」




「空いてないよ?」




「いや、でもーーーー」




「空いてないよ?」




 ・・・初音がものすごく俺に体を当ててくる・・・主に胸を。初音の隣をチラッと見てみると、広いとは言えなくてもちょっと離れるぐらいの距離はある・・・けど、無理にでも離れる気はないらしい。




「・・・・・・ん?」




「どうかした?」




「いや・・・」




 さっきも何か不思議に思ったけど、この匂いは何だ?なんか、頭がぼーっとするような気がーーいやいや、俺はそんな匂いフェチじゃない、正気を保て。




「ねえ、そーくん?」




「ん?」




 初音がものすごく艶っぽい声で話しかけてきた。いや、この状況でそんな声出されたら理性を保てるかどうかわからないからやめてくれ。




「元気だったね!」




「元気・・・?」




 まあ、体調不良ではないけど、‘さっき‘ってどういう・・・!?




「いや、だからあれはーー」




「別に誤魔化さなくてもいいんだよ?」




「いや、だからあれは仕方ないことなんだって」




 これ、もしかして一生いじられ続けるやつ?




「いや、私は別に軽蔑してるんじゃなくて、嬉しいんだよ?」




「う、嬉しい・・・?」




 な、何が嬉しいんだ、っていうか本当に恥ずか死にたい・・・




「だって、私で興奮してくれたってことでしょ?」




「いや、それはその・・・」




 反論できる余地がないな・・・でもあれは仕方がないことであって決してやましいことを考えてたからとかそういう意味ではない・・・自分で思ってて見苦しいな。




「ねえ、する?」




「するって、何を?」




「アレ」




 アレって、アレ?




「いや、しないよ、そういうのはちゃんと順序を踏んでからじゃないと、まだ恋人なのかすらはっきりしていない段階なんだぞ?」




「あ、その件なんだけど、私考えたんだよねー、それならいっそ既成事実作っちゃえばもう恋人であることを認めるしかないでしょって」




「既成事実・・・?」




 そういうと、初音は俺にまたがるように乗りかかって来た。




「・・・は!?いや、何してんの!?」




「だから、アレを無理やりにでもしようかなって」




「いや、そんなことするわけないだろ!」




「本当に?」




「えっ・・・?」




 そういうと、初音は薄いワンピースを脱ぎ、下着の姿になった。白色の下着だ。




「な、何して・・・」




「そーくんが全然何もしてきてくれないから、私調べたんだー、男の子に‘襲わせる‘方法っていうのを」




「お、襲わせるって・・・」




 どうしたんだ?とうとう頭がどうにかなってしまったのか?




「で、調べてみるとね、男の子は主に‘視覚‘で興奮するんだって、例で言うと胸とか脚、とかだね」




 ま、まあ、確かに言われてみれば・・・




「でも、それだけじゃまだ襲わせることはできないから、最後に一押しすれば、男の子は本能的に理性を失い、女を襲いたくなるんだって」




「ひ、一押し・・・?」




 そういうと、初音はいきなり顔を近づけてきた。キスでもしてくるのかと思って身構えたけど、特に何もしてこない。




「な、何をーーーー」




「最後の一押しは、フェロモン香水による‘匂い‘・・・だね」


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