第25話初音とのお風呂

 俺はゲーム内の俺を恨んだ後、初音が作ってくれたご飯を食べ、いざお風呂に入ろうとする。が、俺が部屋から出てくるのを見計らって初音が出てくる。




「そーくん、どうしたの?」




「ああ、ちょっとお風呂にーーーー」




「わかった、ちょっと待って」




「待ってって何の話?」




 なぜかかけられた待ってという言葉の意味を鑑みてみると、すぐに思い出した。今日の初音との駆け引き内容を思い出す。・・・そうだ、一緒にお風呂に入るんだ。会話のキャッチボールを三回しか行わない代わりに・・・お風呂、お風呂か・・・


 いや、待てよ。もしkの初音が支度している間にお風呂に入り終えれば一緒に入らなくていいのでは?それは初音の準備が遅れたからというかなり最悪な案だけど、まあこれも俺の裸を見られないためだ。




「はあっ、はあっ」




 急いでお風呂場に向かった。よし、初音はさっき準備すると言っていたこともあってまだお風呂場には居ない!早く体を洗おう・・・っていうかこれがお風呂場!?広っ!い、いや、驚いてる暇はない。とりあえず体を洗わないと・・・




バシャバシャ!ジャー




「ふう・・・」




 なんとか体を洗い終わった。・・・っていうか初音は本当に遅いな。お風呂に入るだけで何をそんなに準備することがあるんだ?女の子は大変だな、まあ今はありがたい。


 そして俺がいち早くお風呂場から出ようとした瞬間お風呂場の扉が開かれた。




「あっ・・・」




 目の前に初音が現れた。・・・どうしよう。




「あ、あー、初音ごめん、もう俺体を洗い終わったし、上がーーーー」




「まだ浸かってないんでしょ?」




「いや、ま、まあ、そうだけど・・・きょ、今日は浸かりたくない気分なーーーー」




「はいはい、そーくん、ちょっとだけ待ってね、私も体を洗うから、そのあとで一緒に浸かろうね?この家のお風呂は温泉までとは言わないけど結構広いでしょ?」




「ま、まあ、そうだけど」




 確かにびっくりするぐらい広いけど・・・




「え、待っててって、本当に一緒にお風呂に入るの?」




「約束破ったら何してもいいんだーーーー」




「冗談だって!じゃあ、ちょっと待っとくよ」




「うん」




 そして、俺は約束を守る意味でも初音が体を洗うのを待つことにした。・・・いや、男子高校生にこの空気は辛い。もちろん、初音は体を洗っているので今は裸だと思う。まあ、もちろん背を向けているので見えない。




「そーくん、ちょっと高い位置にシャンプーがあるから取ってくれない?」




「ああ、うん、わかった」




 そして俺は初音の方に振り返り、シャンプーを取り、初音に手渡ーーーー




「うわあっ!ははははは、初音・・・」




 そうだ、思いっきり忘れてしまっていた。ついさっき初音は裸だと思うって考えてたのに・・・案の定裸だ。色白の肌に細い腰、そして胸は綺麗なーーーーって!これじゃ俺は変態だ!




「もう、そんなに見たかったの?なんなら触ってみる?」




「触らない!」




 俺はまた初音から顔を逸らし、しばらくしてから初音から声がかかった。




「お待たせ―、じゃあ、浸ろっか♥」




「あ、ああ」




 初音の方をチラッと見てみると初音はバスタオルを巻いていた。




「・・・ほっ」




 裸じゃなくてよかった。




「あ、裸の方が良い?なんなら裸になろっか?」




 初音には俺が安堵した姿が落胆した姿に見えているらしい。とんだ勘違いだ。




「いや、そのままでいいよ」




「なに?胸が小さい私の裸なんて見たくないってこと?」




「いや、そういう意味じゃなくてーー」




「じゃあ見たいよね?」




 な、なんでこんなに裸を見せようとしてくるんだ。普通は「きゃっ!」とか言って裸を手で覆い隠そうとするんじゃないのか?初音を納得させたうえでこの場を切り抜ける方法は・・・




「それは、まあ、見たいけど、それは大事な時に取っとこう」




「だ、大事なと・・き///そ、そーくん、も、もうそこまで///」




 ・・・ちょっと罪悪感があるけど、まあ、仕方ない。




「じゃあ、お風呂浸ろ?」




「う、うん」




 そして二人で入るには広いお風呂に浸かった。幸いここのお風呂は広いから初音と距離が近くてドギマギすることも無い。




「見てみて―、そーくん!」




「ん?」




 初音に呼びかけられたのでそっちの方を見てみると・・・胸を水に浮かせて遊んでいる。




「な、なにやってんの!?」




「えへへー、女の子にしかできない遊びー」




 いや、それ楽しいのか?っていうか胸が・・・俺はすぐに恥ずかしくなり顔を背けた。




「あれー?そーくん、照れてるの?」




「照れてない!」




 そういうと、初音はこっちに詰め寄って来た。




「な、なにをーー!?」




 初音が急に俺の体をまさぐり始めた。腕や胸、足を手でかき回すように。




「うーん、やっぱりちょっと細いね、もっとちゃんと食べないとだめだよ?」




「わ、わかったから、は、早く、は、離れて・・・」




「あれー?照れて・・・ん?」




 初音が俺の下半身に目を向ける。




「あ、そーくん・・・///」




 ・・・!?




「ち、違うぞ!これは・・・!!」




 は、恥ずかしい!!俺はすぐさまお風呂から出て着替えを始めた。ま、まさか・・・あの生理現象が初音に触られて発生するとは・・・恥ずか死にたい・・・。


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