第4話:召喚憑依
「うふぇふぇふぇふぇ、高慢な公爵令嬢をやれるなんてたまらんぜ」
「ああそうだな、王太子の婚約者だった公爵令嬢をやれるなんてな」
「愉しみにしてな、あんな青瓢箪では味わえない快楽を味合わせてやるよ」
「百人でまわしてやるからな、楽しみにしてな」
「休むことなく絶頂を味合わせてやるよ」
「「「「「うふぇふぇふぇふぇ」」」」」
情けない、悔しい、腹立たしい。
近衛騎士団がここまで堕落していたなんて、思いもしていませんでした。
アーロン国王陛下が私を無事に隣国まで送り届けようと、護衛に付けてくれた近衛騎士団が私を輪姦しようとしています。
ですが、近衛騎士団以外が襲撃してくる事は覚悟していました。
近衛騎士団が壊滅してしまい、タイラー侯爵の手先に襲われる事は想定していましたから、慌てる事などありません。
貞操や名誉を汚されるくらいなら、命を捨てて戦うまでです。
貴族院の不当な裁判中に既に決意はできていたのです。
(復讐の女神よ、私の魂と引き換えに力を与え)
声に出す必要などありません。
女神に命を代償に助力を請いたくても、声がだせない状態にされている事もあるので、復讐の女神に願う時は呪文どころか言葉すら不要なのです。
(その方の願い聞き届けてやろう)
確かに女神様の声が私に届きました。
「ふう、久しぶりの身体だ、運動を愉しませてもらおうかね」
「おうよ、たっぷりと楽しませてやるよ」
「騎士隊長殿、順番が詰まっております」
「急いでお願いしますよ、騎士隊長殿」
私は唖然として見ている事しかできませんでした。
誰かが勝手に私の身体を使って暴れ回るのです。
普段の私からは全く想像もできない速さと力で、近衛騎士団の下種共を情け容赦なくぶちのめしているのです。
(ええと、あなたは誰ですか)
「私かい、私は愛子だよ」
(ええと、お名前は分かりましたが、何をされている方なのでしょうか)
「何って、助っ人屋だよ。
あんたが、ローズマリーが復讐の女神に頼んだんだろ」
(はい、確かに復讐の女神様に頼みました。
伝説の召喚憑依魔術で、タイラー侯爵を斃す力を持つ方をこの身に宿らせてくださいと願い奉りました。
では、愛子様が復讐を成し遂げてくださるのですか。
ですが、その、私の魂が残ったままなのですが。
私は魂を捧げて愛子様を召喚憑依させていただいたはずなのですが)
「そんな事は私に言われても分からないね。
私は復讐の女神に言われてローズマリーの身体に憑依しただけだ。
復讐の女神は公平な奴だから、復讐が成し遂げられるまではローズマリーも身体に残れるんじゃないの、知らんけど」
なんて大雑把な方なのですか!
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