第15話 楽しみ方は?

ブロンは久しぶりとなる自分の部屋の扉を静かに

開け、ベッドで眠るネージュにホッとしながら入

った。そっと側へと行き頭を撫でる。


「……あっ…ブロン…さん?」


気付いてネージュが笑顔を見せてくれるから、嬉

しくてベッドに上がりキスをしたら果実酒の香り

と甘さが彼女らしくて堪らず唇も舌も口の中も舐

めてしまう。

唇を離して顔を見るが怯えていないしウットリし

た感じにホッとしたら皆の後押しを思い出して行

動していた。


「ゆっくりだ、痛くなくなるまでゆっくりと進め

て行けば大丈夫さ…。」


ネージュが小さく頷く、酒で昼間の燻った熱がす

ぐに欲望を強くする。ブロンはさほど性欲は無い

方だった。ジョーンヌ達に経験は重要案件だと、

娼館に引き摺られて行かなきゃならない程に興味

がないのだ。父親と母親の経緯を知っている所為

かも知れない、ただネージュへの気持ちで変わっ

たのかもしれない。

ブロンにも分からないぐらい、抱き寄せたいキス

をしたい、ネージュの心も身体も欲しくて仕方な

くなるのだ。


キスをした後、ブロンはゆっくりネージュの衣類

を脱がし、自分の衣類も投げ捨てて身体を見比べ

ながら隣に寄り添う。

ブロンの傷跡だらけの身体と変わらないぐらい有

った傷は殆ど無くなった。痩せていた手足も丸味

を帯びて女性らしくなり色っぽいのだ。そして綺

麗な乳房の膨らみが余計にそそられて自身が熱く

なって堪らなくなる。


「あの、恥ずかしい…から。」


ただブロンが静かに彼女の身体を眺めているのが

気になったのだろう、そう言ってネージュが胸を

腕で隠す仕草が尚可愛いからとそのままにして。

そっと滑らかな身体を撫でていく、首筋を食んだ

り舐めたりしながら、彼女の身体を味わって行く。

隠す手の甲にキスをしながら隙間から手を入れ乳

房に触れ硬い先端を指先で撫でれば鳴き声を隠す

為に手が離れる。

それを見ながら柔らかな腹部に唇を押し当てて行

く滑らかな腰骨辺りは喰をでみたりし、身体中が

瑞々しい果物の様で舐め続けたくなり。


「まずは指より柔らかい舌で試すな。」

「えっ?」


太ももを掴んで足を開かせ、隠れていた秘所が光

っている。そっと花芯を軽く舌先で撫でる様に舐

め始める。


「ひゃぁっ、やだっ、舐めちゃ!」

「指より、優しく出来るし…やめれないよ。」


可愛い花芯をもっとゆっくりと舌先で転がすよう

に舐めていく、ネージュは必死て声を押さえよう

とする殆どの刺激なのか洩れ出る鳴き声がたまら

ないし、誘う匂いと止まらなくなる味なのだ。

全身が震えて蜜が溢れ蜜口に舌を入れたら腰が逃

げようとするがブロンの掴んだ手からは無理だっ

た。小さな蜜口はブロンの舌さえ締める、花芯を

指で撫で出来る限り舌を奥に入れて行く。

鳴く声が震えて


「やだっ、身体が…止まらない…やっ」

「もっとだよ、もっと…。」


そう言って花芯を更に優しく優しく舐めて吸い付

くと、小さく鳴いてビクッと震えているいる。

収まるまで腹部を撫で、落ち着くとまた花芯をそ

っと撫で始めたら「やっっ、だっめっ…っ」と

すぐに全身が震えて跳ねるのだ。初めて知る感覚

にぐったりするネージュの身体の側に行き、抱寄

せて乱れた髪を直しながらこれはこれで楽しいと

気付き、悩んでいた自分に笑ってしまう余裕が無

さすぎだった。


考えれば分かる事だったがブロンの経験が少ない

のもあるが、何よりネージュを抱きたくて堪らな

かった自分の男としての本能に笑ってしまう。

ただ楽しみが増えたのだ、そうネージュの身体が

充分に俺を受け入れられるまでゆっくりと可愛が

ればいいのだから。


ジョーンヌの言う通り、彼女は腕の中に居るのだ

から…穏やかな寝顔を見て安心出来る暖かさを抱

きしめながら眠りへと入っていく、収まらない自

身さえネージュの裸に触れているだけで幸せな程

にブロンは我慢出来る…みたいだった。




翌朝、ブロンは飲んだ割にスッキリと目が覚めて、

隣で眠るネージュの頭を撫でる。お互いの肌が触

れているだけで嬉しくなって、乳房を撫でながら

口付けをしていると何となく、ネージュの下半身

に手を伸ばし蜜口を触ると当然濡れたままだ。

柔らかくなっている蜜口を撫でながら、ゆっくり

と中に指を埋めて行く…柔らかく暖かく…ヌルリ

と吸い込まれて行くネージュの顔をしっかり観察

しながらだった。少しでも苦悶に歪まないように

注意しながらゆっくり進んだ。

それでも半分くらいで止め親指に花芯が触れたか

ら微かに突いてみる、中が締まってネージュの顔

が動く、痛い顔じゃなく気持ち良い顔なので中の

指をゆっくり動かすと震えて


「あっ…やっ…んっ」


甘い声に唇を塞ぎながらゆっくり花芯も撫でる。

ネージュの薄っすら開けた目が潤んで苦しそうに

しながら、ブロンの腕を掴み止めようとする仕草

を首を振って拒否し、指の腹を優しく動かし続け

ると一層指を締め付ける、硬い花芯を指先で弾く

と全身も弾けた様になる。

昨夜より早くネージュを飛ばせたらしい、ブロン

の腕を掴む手から力が抜けて行く

唇と蜜口の指を抜くとビクッとして


「…イジ…ワル…だ」


ネージュが呟くから、キスをしながら

「身体を拭くものを取ってくる」と話すと小さく

頷くから、もう一度キスして急いで取りに行く。


駄目だ、顔がにやけそうだ。

昨夜の悩みは何だったんだろうと笑ってしまう。


階段に差し掛かった所で扉が開く音に立ち止まっ

てしまう、開いたのは母の部屋だがヴェルトが出

てきたのだ。そして、目が合ったがブロンは目を

隠して見なかったアピールをしながらも、笑って

階段を降りていた。仕方ないじゃないか母とヴェ

ルトの慌てる気配が可笑しくて、つい笑い声を出

してしまったのだ。




朝食の場では一部の隊員達とリラとフルー、そし

てネージュが頭を抱えて仲良く唸っている。


「ちょっと飲み過ぎました頭が重い〜」

「私も〜」

「……ふうっ、お酒は当分いいです〜」


対して普通な、いやご機嫌なブロンなのだ。チラ

リと視線を送るのはヴェルトとニュイ、二人を見

ては笑顔をみせる。

その二人が必死で平素を装うが無理が見えて隣に

座るヴィオレとグリは苦しいそうに震えながら背

を向けるし、同じく肩を震わせながら向かいに座

るジョーンヌはパンを隣に座るブロンに投げ、


「やめろ、食べづらいよ。何があったのか知らな

いが分かったから弄るなよ。」


「こうなったら、さっさと事を進めようと思って

ね。息子としては安心したんだからさ。」


と笑うから、二人が固まりニュイが涙目になるか

ら横に座るヴィオレが優しく背中を撫でながら、


「兄がニュイ様を好きなのは皆知って居たんです

がね。まさかニュイ様が受け入れているのは知り

ませんでしたわ。」


ヴィオレが少し怒った風な顔で言うから、ニュイ

は申し訳なさそうに呟く。


「だって彼にとって私は随分年上だから、だから

ヴェルトの気の迷いだと思って、…でも…その、」


何となく、ヴェルトの情熱に押された風だがニュ

イも嫌では無かったのが分かる。綺麗なニュイが

可愛い事を言うからヴィオレが笑って。


「正直、いいですか?私が男だったら、その顔で

そんな事言ってたら押し倒すんですけど?」


「可愛いだろ?…あっいや…。」


つい、ヴェルトが本音を呟くからブロンが笑って。


「まったく、いつ白状するのかと俺は随分待った

んだからな。」


「ええ?」

「…えっ。」


ヴェルトとニュイがまた固まってしまう。

実の所、ヴェルトが母と会ってから予感はしてい

た。ただ両親の関係は微妙なままだったから母が

拒んで居たのも知っている。そしてヴェルトは無

理維持せず母を見守るのだから、


「俺は自分自身の事はヘナチョコだが。ヴェルト

や母の事は知っていたんだよ。母を何かと支えて

くれて居たから本当に有り難かったんだよ。

大体、ヴェルトは母に会った時からだろ?何年前

になるんだ?」


「……気づいて、」


「正直、あんなに母を見る男は初めてじゃないが、

それからもずっとだろ一途にも程がある。やっと

母も受け入れたみたいだから、いつ話すのかジョ

ーンヌと楽しみにして居たんだよ。」


ジョーンヌが呆れた様に「おいおい、くっついて

るのは知らなかったぞ?俺は」ブロンはニヤリと

笑い、グリが何故僕には?と膨れるからヴィオレ

もどこまでの仲か分からなかったのだからと呆れ

ながら、


「私だってそこまでの仲なんて分からないもの、

兄さんにもニュイ様にもしっかり隠されちゃいま

したわ。」


「あの、隠すつもりは…でも、、」


彼の妹であるヴィオレに何と言っていいのか迷っ

たまま、黙っていたのだから悪い事をした子供の

様なニュイをヴィオレは抱き締めて。


「だから色々と取り調べの刑ですよ〜リラとフル

ーとで色々聞かせて貰いますね覚悟して下さい。」


にっこり笑顔でギュウギュウ抱きついて「お姉ち

ゃんかな〜お姉様かな?どっちがいいです?」と

楽しそうなのだ。ニュイが戸惑い泣きながらヴィ

オレに抱きつき、何でもいい何でも嬉しいと泣き

だしていた。ヴィオレに黙っていた事は辛かった

のだろう。

その姿を見てブロンもホッとした笑顔で、


「さあヴェルト観念しろ。俺は何と呼べばいいか

な?父ヴェルトかなヴェルト兄がいいか。母も名

前の方がいいかな?」


「あっいや、まて、その、気持ちの整理が、簡単

に受け入れられると…」


「何だよ?駄目だと嫌がる理由が無いんだよ。

そっちが受け入れろ。」


ブロンの真っ直ぐな笑顔にヴェルトはぐうの音も

でず、隣に座るニュイを見る。


「参った、分かった。俺だって自分の事は腰抜け

だな、今までニュイ様に受け入れてもらう事に必

死だったから、まさかブロンが受け入れてくれる

事がこんなに早くて嬉し過ぎて倒れそうなんだ。」


「まったく、

ヴェルトも真面目野郎じゃないか。」


とブロンは微笑む。

二日酔いが落ち着いたリラとフルーが手を叩いて


「じゃあ、まずはニュイ様の部屋にヴェルト様が

引っ越しですね。」


「今更ですかね?〜」


ニュイとヴェルトが真っ赤になったから全員で大

笑いしてしまった。


「ニュイさんとても幸せそうですね。」


「まあ、ネージュのおかげだ。」


ジョーンヌは笑って首を傾げるネージュの頭を撫

でながら、ブロンな奴上手い事誤魔化したのかそ

れとも勢いなのか?何にせよヴェルトとニュイの

仲をハッキリさせてあげたのは良かっただろう。


ブロンを先頭に隊員達とでヴェルトの引っ越し騒

ぎをネージュと笑顔で眺めていた。

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