10冊目 『さよなら、田中さん』

 皆さま、こんにちは。

 あさぎ図書館 館長の、浅葱あさぎ ひな です。


 この、あさぎ図書館 ☆異世界分館☆ では、館長であるわたしが、読み終えておもしろかった『本』を、皆さまにご紹介させていただこうかと思っております。

 ここ『カクヨム』ではない世界の物語たちを集めた……なので、異世界分館です。よろしければおつきあいください。


 午後のひと時に、素敵な1冊を……。




    『さよなら、田中さん』

       著者名 鈴木るりか   装画 西原理恵子

           小学館


 この物語は……、

    文芸寄 ★★★★★♢・・・・・ ラノベ寄

 ジャンルは……、『現代ドラマ』です。




★★あらすじ、感想などなど★★


 あらすじ……

 物心がついた時には、母娘ははこふたりで暮らしていた主人公。そこに父の影は存在せず、匂いも温もりもないのが普通だった。母は事情を語りたがらず……。そして、痩身にもかかわらず、男の人に混じって工事現場で力仕事をしているのだ。

 そんなパワフルな母と、その背中を見て育ってきた主人公との日常の風景を描きだした、全5話__の連作短編集。



 感想などなど……

 この本に収録されてる第一話、『いつかどこかで』は、主人公の記憶にもない父を巡るお話。同じ境遇の友だちの家では、亡くなった父のことが、いつも話題に登る……という。

 そこで、自分のところはどうなのか? から始まり、主人公の理想だろうと思える父親像が描かれる。でも、なにかが違っていて……。

 父がいないことを寂しいと思っていない主人公。それは、普段からパワフルな母がいたからこそなのだろう。

 これはこれで、幸せな家庭なのかもしれない。


 第二話、『花も実もある』は、主人公が自分の名前について思うことから、物語が始まります。

 そのほか、どのお話も、母との会話や母の言葉から、読む側に元気をもらえるかもしれません。

 この第二話は、出版のために書き下ろした物語のようですが、この本が出版されたのは、著者さま14歳の時です。更に、第一話は、改稿こそしてますが、原案は12歳の時に書かれたもの。もっと小さい時に書かれたものだって、この本には掲載されてます。

 あ、未読の方の楽しみを奪ってはいけませんので、これくらいで……。


 さて、久しぶりの10冊目は、ジャンルとしては『現代ドラマ』です。

 ここ『カクヨム』では、ラノベの読者さまが圧倒的ですから、おもしろいとは思われないかな? それでもいいとは思いますが、読まず嫌いは損をしてますよ。

 ということで、特筆すべきは、この著者さま。とてもとてもお若いのです。わたしのひとつ上、今年18歳になろうかと……。

 更に、驚くべきは、この著作、中二の時分に刊行されてます。そして、この本の中のいくつかは、小学生時代に書いたものを改稿して出版されてるとか……。

 もう、尊敬ものです。この著者さまの、この感性、この感覚は素敵です。

 文芸作品だからと遠ざけてるお若い皆さま? たまには、圧倒的な文章力に触れてみたら如何でしょうか……。


 今回も、これ、読んだよ〜 とか、これ、おもしろいよね〜 とか、皆さまとお話できると楽しいかな? なんて思ってたりします。

 なので、コメントなど残していただけると嬉しいです。

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