彼との繋がりが無くなった後、私の性の枯渇は著しく加速していくように思えるだろう。しかし、それが反対だったのである。


今まで陶酔していた肌の交わりは、私に向けられたものではなく、私の肉体に向けられたものだった。幾度となく、彼ではない肌を前にした。かけられる甘い言葉も、卑猥な言葉も私にとっては何の力もなく、ただ風のようなものだった。


できればその詳細をここに詳しく載せた方が虚しさを伝えられるだろうか、と思ったのだが、思い出せないほど風のような時間だったのである。

それも、気持ちよくそよぐ風ではなく、じっとりしていて湿った厭らしい風だったのだ。


他人と交わりながらも、私の精神にはまだ建築学生の彼がいた。彼が求めた私と、私が彼に求めた私は相反するものだった。男は女を釣って、女は釣られていた。

自分が可愛くて仕方がなく、考えれば考えるほど、相手にも気があったように思えてしまうのは女の性なのである。


そして、彼のもう一つの魅力である、性的な魅惑からも離れられずにいた。

彼と交わると、私はいつも果てた。彼が中に入って、蠢くと同時に私はこの上ない悦びを感じていたのだ。


誰に対しても果てることがないのに、己の欲求は高まるばかりだった。

つまらない。

張り合いがない。


そんな時に私は一人の男性と出会った。

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