二
ある夏の夜だった。
私は広々とした自然とは反して、プライベートがない家庭から逃げるようにさまざまな他人の家に転がりこんでいた。まさに現代的な出会い系で声をかけてくれた人々である。
小中高と孤独ではないにしろ、交友関係が広くも狭くもなく、深くも浅くもなかった。男性が苦手であるわけでもなく、女性が苦手なわけでもなく、中性的な人が苦手なわけでもない。しかし、こうやって、一対一で異性と話すことが多くなると、どうにも表面的な付き合いが多かったことを思い知り、男と女の壁は超えられないことが分かる。
昨今の男女平等運動、違和感を感じるのは、生物学的な壁はある程度の限界があることを念頭におかない、建前上の主張が多いからに違いない。どの時代にも人を従えるものは従え、指導し、大成する。
男と女の壁は超えられない
なぜこの思いに至ったかは私が身を持って体験をした、妖しく甘美な性がそこにあったからだ。実に平凡で、型に嵌まった私の愛憎がそこにあるからだ。
これは私の日記であり、幻想であり、ロマンである。
他言は無用で、これが私の感じた、私と男の物語なのである。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます