痴呆

@shime3ba

人間とは誠に愚かな人間である。


このように人間の愚行において美しさを見出す人間はそう少なくはない。私もその一人であることは間違いではない。なぜ人間は愚かなのか。愚行とは儚くとも美しいのであろうか。それは一種のニヒリストにも思えるこの思考が何よりの人間賛歌であるからだ。


人間は人間という壁を乗り越えることが出来ない。人間以上の何かになろうとも、陶酔しようとも、所詮は人間であることには変わりなく、細分化すればするほど個々の違いが見えてくるし、第一全くして同じである人間などいない。

しかし、大まかな括りで見た時に、間違いなく人間はただ人間であるという一つのカテゴライズに分類されてしまうのだ。


その永遠に不可能である願いを切望するが故に私たちは真のロマンを求め、他方から見ればニヒリストで気高い厭味のある人間と化してしまうのである。



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