4.賢者の石だって召喚可能みたいです
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またこの声だ。
気になった僕は、早速スキルを使ってみることにする。
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現在の権限で使用可能な【コード】一覧
→ アイテムの個数変更
(▲やくそう▼)
→ 魔法取得
(▲ビッグバン▼) ※習得中
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「アレスはどんなスキルを授かったの?」
「え〜っと、この辺に文字が出てきて――効果はまだ、よく分からないんだけど……」
こてんとティアが首をかしげた。
どうやら目の前に現れた文字は、僕にしか見えないらしい。
僕は「こんな感じ」と、地面に文字を描く。
「実際に見せた方が早いか。ここをポチッと押せば――はい!」
僕が「▲やくそう▼」を選択すると、瞬く間にどこからか、やくそうが現れる。
「ははっ。8Gで買えるやくそうを出せるだけのスキルなんて……。外れスキル持ちだって言われても仕方ないよね」
「ねえ、アレス? アイテムの隣に矢印が出てるのよね?」
「うん。これ、なんだろうね?」
ティアの言葉が気になり、僕は「▼」の部分をポチっと選択してみた。
その途端――
「な、なにこれ!?」
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【コード】アイテムの個数変更
※選択可能なアイテムは以下の通りです。
→ やくそう
→ ポーション
→ エクスポーション
→ 賢者の石
→ ???(
――――――――――
「どうしたの?」
「すごいよ、ティア! もしかすると、出すアイテムが選べるみたい!」
ポーション、エクスポーション、賢者の石。
どのアイテムも、やくそうなんかとは比較にならない高級薬だ。
僕はとりあえず「エクスポーション」を選択してみた。
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現在の権限で使用可能な【コード】一覧
→ アイテムの個数変更
(▲エクスポーション▼)
→ 魔法取得
(▲ビッグバン▼)
――――――――――
「おおおお!」
「アレス、一人で納得してないで見せてよ!」
ティアにせがまれて、僕は「▲エクスポーション▼」をポチッと押した。
それだけで僕の手の中に、エクスポーションが現れた。
「う、ウソ……。それってエクスポーションじゃない!?」
「そうみたい。たぶん賢者の石も出せると思う」
エクスポーションは、味方のHPを全回復する高級薬だ。
「ほんとうに使えるの?」
「試してみる?」
「いい! 勿体ないもん」
ぶんぶん首を横に振るティア。
僕は続いて、試しに賢者の石を召喚する。
これまた実にあっけなく――賢者の石が僕の手の中に現れた。
賢者の石は、錬金術の材料にも使われており、それこそ店で購入したら10万ゴールドは簡単に吹き飛ぶ代物だ。
まさか賢者の石が、こんなに簡単に入手出来るなんて。
これなら手に入ったアイテムをお店に売るだけで、一生お金に困ることはないだろう。
「ねえ、アレス。もしかすると、そのスキル――とんでもないんじゃない?」
「そ、そうかもしれないね……」
ポチッと押すだけで、超高級なアイテムが一瞬で手に入る。
さらにはビッグバンなんて超高位魔法を、ポチッと選ぶだけで覚えることも出来たのだ。
うん。自分のことながら、まるで意味が分からない。
「アーヴィン家も馬鹿なことしたわね……」
「え、なにが?」
「だって……こんな凄いスキルを持ってるのに追放なんて。間違いなく戦場で、切り札になる能力じゃない」
「そうなのかなあ? でも神託書に載ってなかったし……仕方ないよ」
別に誰かが悪い訳ではない。
もうアーヴィン家のことは気にせず、僕は僕で、手にしたスキルと共に生きていこう――そしていずれは世界の果てを見るのだ。
僕が改めて、そんなことを考えていると、
「ふふっ。やっぱりアレスはアレスね?」
ティアがいたずらっぽく笑った。
「えっと……どういう事?」
「そうやって何があっても前向きなとこ! アレスに付いていくって決めて、やっぱり正解だったわ!」
そうしてティアは、見惚れるような清々しい笑みを浮かべるのだった。
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