第12話 熟練度100%・50%
一旦、お昼ご飯を食べるためにログアウトしていたので再度ログイン。
ログアウトする前、丸太を全て小木板にした後に上げ始めた【調合】スキルの熟練度が100%になって【上級調合】を取得した。
そして、すぐにギルド書庫に向かい新しいレシピを得た。
得られたレシピはおよそ予想していた通りで『【調合】の基礎レシピ2』と人工血液のレシピ。ただ、【調合】では幻視毒のレシピは得られなかった。どうやら幻視毒は【錬金】専用のレシピという扱いらしい。
基礎レシピ2に関して、大半は【錬金】のレシピと被った。元からそういう傾向があったし驚くような事でもないのだけどね。
でも被っていないレシピから両スキルの特性、というか方向性が何となくわかってきた。
まあ、考えるまでもないと言えばそうなのだけど、【錬金】のレシピは魔力に関係するアイテムが多い。特にMPポーションは【錬金】向き。【調合】よりも少ない素材で作ることが出来る。さらに状態異常系やデバフ系のアイテムのレシピが多い。
【調合】は魔力に関係しないアイテムが多い。状態異常やデバフを解消するアイテムが多い感じ。普通のポーションは【錬金】よりもこっちの方が得意っぽい。あと、何か条件を満たしたらしく基礎レシピ2を獲得したと同時に[調合:スパイス]というスキルが生えた。
まあ確かにスパイスは調理、というよりも調合って言葉の方がしっくりくるよね。
でもあれだね。これでカレーが作れるね。ご飯はないけど、小麦粉はあるからナンでも焼けばいいのだろうか。でもタンドールないからチャパティになるのかな?
いや、これは今関係ないね。
とりあえず日が昇る時間まで、また生産を続けて行こう。
まずは熟練度が低いのを、と思ったけど【調合】と同じようにもう少しで区切りがつきそうな【上級錬金】を先にやった方が良いよね。
ただまあ、なんで先にやろうとしなかったかというと、何か熟練度が上がらないのだよね。48%から49%にするまでに数時間かかったし、50%にしようとちょこちょこ生産しているのだけど上がる気配がなかった。
それがちょっと嫌になって他の生産スキルを上げていたのだけど、もしかしたら50%でスキルが取得できるから、その分熟練度が上がり難くなっているのかもしれない。
とは言え、熟練度の見えない部分が全く上がっていないとは思えないので、地道に進めて行こうと思う。
とりあえず作るのは、初級MPポーションでいいかな。基礎レシピの中に入っていた奴だけど、使う必要もなかったから作ったこと無かったのだよね。それに初級ポーションに比べて利益も需要も少なかったから、作るメリットが無かった。
でもまあ、レシピを手に入れたし丁度いい。
じゃあ、さっそく生産を……と思ったけど、昼前よりもプレイヤーが多いから生産工房の方に入って生産しよう。
使用料を払って生産工房の部屋に入る。
中に入ると今までと違って中に置いてある設備が増えていた。前までは錬金台と大き目のキッチンがあったのだけど、今はそれに加えて調合台と思われるガラス器具がたくさん置かれた机が存在している。
ただ今回は調合をするためにここへ来たのではないので、サラッと確認するだけに留めて、錬金台の所へ移動する。
さて素材の準備から。
初級MPポーションに使う素材は小魔力草。第1エリアと第2エリアに良く生えている物で薬草の魔力版。
[(素材)小魔力草 Ra:C Qu:B SAS:18]
僅かに魔力を含む植物。日中の光合成により魔力を蓄え、日が落ちてから日中に蓄えた魔力を使い成長する。そのため、良い多くの魔力を含んだ状態で確保するには日が落ち切る直前に採取する必要がある。
効果:食べることでMPを9回復することが出来る。
説明はこんな感じだけど、同じQuの小薬草はSAS:10。見ればわかる通り小薬草に比べてSASが高い。この価格帯では誤差ではあるけれど、数を作ればその差は歴然になる。その上に初級MPポーションは初級ポーションと比べて価格差があまりないという。はっきり言ってAS稼ぎにはほぼ使えないアイテムである。
でも作るけどね。
初級MPポーションに必要な小魔力草は2本。ついでに【調合】で作る場合は3本必要だ。まあ、どちらでも利益は出るけど、断然【錬金】で作った方が稼ぎは良い。
今までちまちまと採取していた小魔力草と瓶を錬金台の上に載せる。そして錬金台に魔力を流し込む。
数秒錬金台が光を放った後、錬金台の上にはやや赤みを帯びた液体の入った瓶が鎮座していた。
[(アイテム)初級MPポーション Ra:C Qu:B SAS:65]
飲むことでMPを回復させることが出来る薬。初級と名のついている通り回復量は微々たるもの。体にかけることでも回復は可能だが、そうした場合、回復量は本来の70~50%になる。MP回復量:40
うん。ちゃんと出来ているね。SASもまあ、こんなものか。HPの方は60ASだけど元値が小薬草2つ分で20ASだからなぁ。単純に10AS以上違う。今はもうそうでもないけど、最初の頃だと結構痛い差だよね。
ま、作れることはわかったので持っている小魔力草を使い切るまで初級MPポーションを作り続けよう。
およそ1時間後、持っていた小魔力草を全て使い切り、167個の初級MPポーションを作りだした。Quは約7割がBで約3割がQu:A。そして数個Qu:Cが混じっている感じだ。
Qu:Aが出来たのは嬉しいけれど、正直使わないので全て委託に流す予定。
それで【上級錬金】の熟練度がようやく50%を超えた。50%になったのが初級MPポーションを作っている途中だったので、全て作り終えるまで作業を止めたくなかったのでまだ取得したスキルの確認はしていない。
では確認ー、ってあれ。熟練度51%になっているのだけど?
これはやっぱり何か制限が掛かっていたという事だろうか。熟練度が50%になってから30分も経たない内にさらに1%上がるなんて考えられない。という事は必要熟練度が高かったわけではなく条件を満たしていなかったから、熟練度が50%にならなかったのかもしれない。
まあ、上がる分には問題ないので良いとしよう。
それで【上級錬金】の熟練度が50%になった時に取得したスキルは[簡易エンチャント]と言うものだった。まさかこんなに早くフラグを回収できるとは思っていなかったけど、まあ簡易って付いているから本命?ではないのだよね。
さてスキルの内容はどんな感じなのかな。
[簡易エンチャント] 武器や防具へ属性や能力を永久的に付与することが出来るスキル。“簡易”であるため、属性と能力を同時に付与することは出来ない。使用MP:付与対象、付与で使用する素材によって変動
おお! 有り。とても有りですよ。
まあ、能力は1つしか付けられないみたいだけど、それでも全然いい。簡易と付いているから最悪、指定されたいくつかの能力から選択して付与する形になる可能性もあると思っていたのだよね。それに比べれば天と地ぐらいの差がある。……たぶん。試してみないとわからないけど。
うぅむ。日が昇るまでまだ時間はあるし、確認のためにちょっと試してみようかな。
―――――
良いサブタイトルが思いつかなかった
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