第11話 【木工】切り出し、ぎーこぎーこ
ギルド書庫から出て、生産施設へ戻って来た。
あの日記の最後に書いてあったハウスも気にはなるけど、日記を読んだ後からMAPに表示されるようになった場所は、周辺が詳しく表示されていないところからして私が行ったことのある範囲よりも先にあるのだ。
ただ現状、行けなくもない場所っぽいけど、ハウス自体今すぐに欲しい要素でもないので少し後回しにすることにした。
というか先にレシピを試して、[真祖覚醒]を確認しなければ先に進むことは出来ないよね。
さてと、日が出るまでは生産を進めて行こう。
先ほど取得した【細工】【木工】の熟練度を目標30%にして、他は切りの良いところまで上げることにする。特に【上級錬金】後1%で50%になるからあの錬金板がようやく装備できるようになるわけだ。それに生産スキルは2次の50%まで行くと何かスキルを覚えるらしいからそれにも期待しておこう。
【細工】と【木工】は生産装備を持っていないので受付の女性から購入する。両方で4500AS。【細工】の装備が3000ASと今までの物に比べて一番高かった。
実はこれよりも高い【鍛冶】用の初心者の携帯小炉もあるのだけど、これって装備の修復にしか使えないらしいのだよね。だから使う当てもないから買っていない。
【細工】の装備は初心者の細工セットで内容は、やに台・松脂・彫刻刀セット・木槌・小のこぎり・小やすり、とかなり彫金仕様のセットだった。彫刻刀は15本と穴あけ用だと思うけど1本だけ錐が入っていた。一応小さいのこぎりも入っているから木材加工も出来るけど、服のボタンとかを作る感じなのかな。レシピもそんな感じだし。
【木工】の装備は初心者の木工セットで内容は、のこぎり・トンカチ・ノミ・金やすり、と言った感じ。ザ・DIYセットである。まあドライバ-とかはないけど、そもそもそれがこの世界にあるかどうかはわからないから、おそらくこれがこの世界のDIY基本セットなのだと思う。
生産装備も手に入れたし、まずは【細工】と【木工】の熟練度を上げていこう。
手に入れたレシピも作ってみたいけど、熟練度が低いと話にならないからね。上げ易いスキルから上げていく。
【細工】は後回し。理由は使用する素材が加工済みの物が多いから。【木工】で木材を小さい木板にしないと素材として使えないし、【鍛冶】で小さい金属板にしないと同じように使えない。
総合委託にはおいてあるかもしれないけれど、他の細工師プレイヤーが買い占めているのか、私はたまにしか見たことが無い。
だから自分で作った方がASも掛からないし、素材も一々買わなくても済む。
という訳で【木工】から攻めて行こう。
先持ってギルド倉庫から取り出していた丸太をインベントリから取り出す。そして生産装備として初心者の木工セットを装備する。
[(素材)ルルスギの丸太 Ra:C Qu:B SAS:750]
何処でも成長できる生命力の高い樹木[ルルスギ]の丸太。強度はそこまで高くないが、その分加工がしやすく初心者向けの素材。しかし、そのまま使うには少々大きい。
長さ1000㎜ 太さ約300㎜
今回使う丸太は第1第2エリアに良く生えているルルスギという樹の丸太。
それをカット台の上に載せてからのこぎりを持つ。するとその段階で丸太のどこを切ればいいのか、それを示すガイドが出現した。
ガイド通りに切断すると木材になるようだ。そしておそらくこのガイドからずれるとQuが下がるということか。
ぎーこぎーこ、とガイドに沿ってのこぎりで丸太を切っていく。
リアルだったら手のこで丸太を切るなんてあまりしない。というか今は普通に機械で切るよね。
丸太1個木材にするのに時間が掛かりそう、そう思ったけど意外と時間はかからず10往復したくらいであっさり切れた。もしかしたら丸太の切断速度はSTRとDEX依存なのかもしれない。
熟練度とSTR・DEXがもっと上がれば、いずれ丸太をのこぎりで一刀両断することが出来るまでになるのだろうか。
そんなことを考えながら作業し、何度か丸太を角材として整えるように切っていくと、1つ目の丸太が完全に木材になった。
出来上がった木材の数は4つ。QuはB。元の丸太がQu:Bだから劣化しなかったという事だね。良いことです。
出来上がった木材がこれ。
[(素材)ルルスギの木材 Ra:C Qu:B SAS:225]
何処でも成長できる生命力の高い樹木[ルルスギ]の木材。強度はそこまで高くないが、その分加工がしやすく初心者向けの素材。俗に言う角材の状態。武器として扱う事が出来るが所詮角材。
長さ1000㎜ 幅/厚さ:100/100(㎜)
備考:装備時STR+2
何か装備できるとか書いてあるけど無視。これからさらに木材から木板に加工していく。
ぎーこぎーこ、とガイドに沿って木材をのこぎりで薄く切っていく。木材は長さが1メートルくらいで太さ100×100の角材なので、薄く切ると何回も同じように切らないといけない。
ぎーこぎーこ、ぎーこぎーこ、ぎーこぎーこ、ぎーこぎーこ、ぎーこぎーこ、……
繰り返すこと91回ようやく小木板の切り出し作業が終わった。最終的に出来上がった厚さ10mmの小木板の数が92枚であることから、のこぎりで切った部分はしっかり無くなっているようだ。
[(素材)ルルスギの小木板 Ra:C Qu:B SAS:15]
何処でも成長できる生命力の高い樹木[ルルスギ]から切り出された小さな木の板。比較的柔らかく加工がしやすいため初心者向けの素材。主に細工によって加工される。
1辺100㎜ 厚さ:10㎜
これで【細工】で使える素材になったね。【細工】で使うにはまだ大きい気もするけれど、ここからは【細工】の範疇で加工していくのだろう。
【木工】の熟練度は……3%になっているね。最初ってのもあるのだろうけど、単純作業でも量が多かったからその分上がったのかな?
さてさて残りの丸太は21個。
全部同じように小木板まで加工する予定だから、ここからは完全に脳死プレイの始まりですよ。
これが終わったら【細工】、いや【調合】が2次に行きそうだからそっちが優先かな。というか、どうしてそっちを先にやらなかったのだろう。……まあ、いいか。順番が前後しただけだし。
さあ、頑張っていこう。
―――――
アユはあっさり最初から丸太を出していますが、【伐採】で切り出すと最初は原木の状態です。そこから原木を加工することで丸太になります。※丸太への加工は【伐採】でも可能。
【木工】は生産系スキルの中でも事前の作業数の多いマゾスキル。しかも繰り返し作業が多いという二重のマゾさ。しかし、その反面出来上がったものはサイズがあるため達成感は大きいとか(経験者談)
極めれば【大工】スキルに派生する。
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