時期SS 幻想にネコミミを抱く……夢オチ [2022.2.22.22.22用のSS]
2ゾロの日の記念SS。ただし1分遅れ。
※タイトルオチ
―――――
「にゃあ」
「にゃあ?」
目の前にネコミミを付けてポーズをとっているあゆが居る。
おかしいな。あゆはこういったことを進んでやるような子ではなかったはずなのに。
「にゃあ」
「ああうん、わかったよ。うん」
何を訴えているのかよくわからないがとりあえず可愛いとだけ言っておく。相変わらず、いつも通りの無表情だけど猫のコスプレしたら悪くはない。いや、別に無表情だから合わないという衣装もそうそうないと思うけどさ。
それで、どうしてこんな状況になっているのかが理解できない。
この前手元が寂しいバレンタインが終わったところで、今日は何日だったか。
確か20XY年の2月何日だったような。どうしてか日付まで思い出せない。
「にゃう」
ネコミミを付けたあゆが招き猫のポーズで右手をくいくいする。
うん、まあ、可愛いんだけど、何この状況。何も理解できる物が無いんだけど。よく見たら周り何もないし!
はっ!? これが俗に言う夢オチ!
しかし何で猫? よく見たらしっかり尻尾もついているし。
……毎回、ああいうコスプレ服を見るとどこに尻尾がついているか気になるんだよな。大半は服についているなって判断できるんだが、時たまマジでどこから生えているのかわからない奴もあるし。まあ、そう言うのに限ってクオリティが高いからわかり辛いように付けているんだろうけど。そうじゃないのもまさかあるんじゃないかって思ってしまうよな。
「しゃー」
なぜか威嚇された。まさか、俺の思考を読み取っている? いや、そもそもここが俺の夢の中だとすれば変でもないか。
「…………」
とりあえず、いつものように頭を撫でてみる。最近はこうする機会も減ったんだよな。年齢の事もあるから当然と言えば当然なんだけど、少し寂しく思う。
手を頭に近付けるとネコミミを付けたあゆが引くりと震えた。どうやら警戒されているようだ。
偶にリアルでもあゆの事を猫っぽいと感じることがあるんだが、これがまさにその反応だな。最近は……と言うか、最後に頭を撫でた時にはこういう反応もしなくなっていたからちょっと懐かしく思う。
ネコミミあゆの頭に触れる。触れた瞬間は体を強張らせていたが、すぐにそれはほぐれて行った。そして撫でている内に、気持ちいいことに気付いたのか俺の手に頭を押し付けて来る。
完全に猫だな。さすがにあゆがこんな反応をすることはない。
そう思ったことで、今の状況を客観的に見ることが出来るようになった。
ネコミミを付けた妹の頭を撫でる兄。そしてその妹は嬉しそうに寄ってきている。
……これ、俺キモくね? 自分から何故に行っていおいてなんだけど、うわぁ、な状態だわ。
「にゃー」
「もっと撫でろと?」
いやもう無理。自覚するとさすがに出来んわ。
「にゃーシャー」
ガチ怒りモードか。
仕方ないなぁ。そう思って手を差し出す。
するとネコミミあゆがいきなり差し出した俺の手に噛みついて来た。
「いってぇー!!」
ガチ噛みだった。マジで痛い。そう思って手を見ると噛み跡らしきものは一切なかった。よく観察するとさっきと場所が違う。どうやら噛まれた衝撃で起きることが出来たようだ。
「やっぱ夢だったか」
そう言って眠気覚ましにリビングで水を飲むことにした。
「あれあゆ。こんな時間に起きているの珍しいな」
「あーうん。夢見が悪かった」
「は?」
「何でもない」
うーん?
「にゃあ」
「は?」
「ごめんなさい」
何となくそう呟いてみたら、あゆから底冷えしそうな声が聞こえて来た。ここまで感情がわかる声出したの何時ぶりだよ。そう思いながら咄嗟に謝る。
どうしてあんな反応をするのか。まさか同じような夢を見ていたなんてことはないよな?
_____
※ネタ話です
兄の予想通りあゆも同じような夢を見た感じです
しかし、癒し度などはなし。ネコミミを付けた兄がにゃあというだけの悪夢。なので機嫌が悪かった。
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