第36話 チュートリアル完了
【MP操作能力向上】って? そんなスキルあったかな? 割と何回もスキル取得する前に確認していたけどそんなの1度も見たことないよ?
「っと、ごめんなさい。今やろうとしてたのに遮っちゃって。でもその反応からして持ってないみたいだね操作向上系のスキル」
「そ…うですけど、取得できるか今確認してみます」
「今から取るの? 今とってもあまり意味ないけどー?」
レミレンの言葉を無視して取得可能スキルを確認してみる。すると【MP操作能力向上(微)】が一覧の中に存在していた。
ただ、スキル名の前にNEWの文字があったので最近取得可能になったのか、もしくは今聞いたから取得可能になったのだと思う。必要SKPが5と他に比べて重めのコストだけど、今後のことを考えて直ぐに取得しておく。
「…とりあえず取得しました。作業進めます」
「え、あ、うん」
さっきの続きを進めて行く。小薬草は既に錬金板に置かれているので後は魔力を流すだけと言うところだったから、魔力を流せばいいはず。さっき思い浮かべたように力を集めるような感じでやってみる。すると錬金板の六芒星を作っている線が徐々に光り出した。
えっと、この段階で作りたい物を思い浮かべると。ポーション…ポーション……あれ、ポーションとは聞いたけど何ポーションを作るんだろう? 【調合】の時に使ったのは薬草と【生活魔法】のウォーターで出した水だったけど、これは水がないし材料も違うから下級ポーションは出来ないよね? 入れ物もないし、水がないってことは粉になったりするんだろうか、ポーション…(粉)?
そんなことを考えながら魔力を流し続けていると錬金板が強い光を放った。
目が、目がぁー! って、まあ光は直ぐに収まったけど、その光を直視してしまった所為で私の視界がはっきりしていない。
はっきり見えるようになってから錬金板の中央の窪みを見てみるとそこには白い粉状の物が収まっていた。何だかよくわからないので【鑑定】してみる。
[(アイテム)初級粉ポーション Ra:C Qu:D SAS:25]
粉状の初級ポーション。これを服用することでHPを少量回復することが出来る。ただし、粉のまま服用した場合、状態異常:渇水(2)が付与される。水に混ぜて飲むことも可能。
効果:HPを30回復
なるほど、ある意味想像した通りの物が出来た…と言うことなのだろうな。うん。チュートリアル的には失敗だろうけどね。
「まさか、初めからクリティカルとは。まー、出来たのは目的の物じゃあないですけどー」
「…すみません」
「大丈夫ですよー。でも、どうしてこうなったんですー?」
「ポーションを作る…とは聞きましたけど、何ポーション…を作るのかがわからなくて。それに【調合】でポーションを作る時…は水を使ったのに今回は使ってないし、それに入れ物もないから、だったら作るのは粉?って感じで」
「何でそう……? あ!」
ん? これはもしかして説明不足とかそんな感じなのかな? 元から説明少なかったし、あんまり慣れた感じではない……気がする。
「ごめんなさい。入れ物のこと忘れてました。それと作るのは初級ポーションは錬金の場合って水は空気中の物を使うので必要ないんです」
レミレンが頭を下げて謝って来た。そしてカバンの中から瓶と小薬草を取り出して差し出してくる。それを私は受け取って錬金板の瓶を真ん中に、小薬草をさっきと同じ場所に置いた。
そうしてもう1度さっきと同じように魔力を流していく。今度は違う物が出来ないようにしっかり初級ポーションと念じながら魔力を流す。そして5秒くらい経ったくらいで錬金板が少し光って、中央に置いてあった瓶の中に薄い緑色の液体が入っていた。
[(アイテム)初級ポーション Ra:C Qu:E SAS:40]
もっとも効果が低いポーション。基本的に小さな傷などを治すために使用する。ポーションの中では1番手に入れやすいため各家庭で常備薬として置かれている。使用することでHPを少量回復することが出来る。
効果:HPを25回復
うん。ちゃんと出来ている。問題ない。しかし、初級ポーションの回復量少ないな。下級ポーションだと最低50は回復するのだけど。初級だから仕方ないのかな?
「うんうん出来てるね。とりあえずこれでチュートリアルは終わりだけど、説明が下手でごめんね。実はこの担当になったの最近であんまり慣れていないんだよー。前はベテランの先輩が担当してたんだけど、異邦人の人たちがたくさん来るって言うから3国の部署に異動になっちゃって」
「そう…ですか」
なるほど、そう言うことか。確かに一気にプレイヤーが行けばそれだけ慣れた人が多くいないとチュートリアルも回せないから仕方ない。特に大きな失敗とかなかったから問題はないと思うけど、こういうのは本人がどう思うかだから私からは何も言わなくていいよね。
「それと、さっき出来た粉ポーションだけど、こっちで買い取ってもいいかな?」
「……どうして?」
「こういった粉状のポーションって今までなかったんだよね。これだと液体のポーションと違って瓶に入れない分かさ張らないし、値段も抑えられるから参考用に欲しいんだよね」
粉の薬ってUWWO内ではないってことなのかな。うーんいや、あくまでポーションだけかな。多分ポーション=液体とか言った固定概念から粉にするって考えられなかったとかそんな感じ?
「そう…いう事なら」
「ありがとう。鑑定する限りこれの買い取り額は25ASだけど、少し多めに出すね」
そういってレミレンはカバンの中を漁り始めた。あのバックにはASも入っているのだろうか。あ、それよりも聞きたいことがあるんだ。
「あの、今回使った瓶って…どこで買えます…か?」
「瓶? 瓶なら雑貨屋か委託取引で買う感じかな。あ、ASより瓶で払った方がいいかな? 今回使った瓶なら1本10ASで買えるよ。こっちでいいなら多めに5本と交換って形にするけど?」
「あ、そっちの方が良いです」
「そかそか、じゃあ瓶にするねー」
もともと何AS出すつもりだったのかはわからないけど50AS分になるならそっちの方がお得な気がする。そういってレミレンは瓶を5本テーブルの上に出した。それをインベントリにしまっていく。
「じゃあ、今回はこんな感じで終わりです。次回がある訳ではないけど何かわからないことがあったりしたらここに来れば誰かしら居て答えてくれると思います」
「あ、はい。わかりました」
「それでは、これからの貴方の活躍を私たちは期待して待っていますよ。
ってこれ毎回言わないといけないんですよねー。言われた側はプレッシャー感じるだろうし変えた方が良いと思うんですけどねー。残念ながら私にはどうこう言う権利はありませんけど」
レミレンはそう少し照れた感じでおどけた。
確かに言われた側からしたらあんまり良い感じじゃないね。まあ、ギルド側からしたら1人でもうまくいけば儲けものとかそんな感じで言っているんだろうなぁ。
そうして私はレミレンにお礼を言ってから総合ギルドの受付スペースに戻っていった。
『ステータス
NAME:アユ
RACE:ヴァンパイア(純血)
LV:16/30
JOB:見習い錬金師0%
BC(Belonging Country:所属国):なし
HP:375(0)(0) +45+20
MP:450(0)(0) +60
STR:65(1) +8+3
VIT:56(3) +7+2
INT:87(0) +8+7
MND:74(1) +7+7
AGI:65(1) +7+2
DEX:56(0) +3+9
LUK:54(2) +16(STP15)+4
STP/SKP:0/17(スキルによるもの6)
*二つ目の+はスキルによる上昇分
装備
メイン武器:初心者のナイフSTR+1
サブ武器:なし
生産装備:初心者の錬金板
頭:なし
胴:初心者の服VIT+2
腕:なし
腰:初心者の服
脚:初心者の靴AGI+1
アクセサリー(2/3):幸運の腕輪(劣)LUK+2
ルビーとサファイアの指輪(劣)VIT+1 MND+1
スキル
戦闘:短剣術26% 血魔術55% 闇魔術53% 毒魔術48% 影魔術16% 投てき4%(1)
補助:血統魔法18% 身体能力向上(微)47% HP自動回復(微)15% 隠蔽39% MP自動回復量増加(微)9%(10) 弱点特効1%(15) MP操作能力向上(微)0%(5)
生産:錬金0% 調合19%
その他:日光脆弱23% 生活魔法5% 鑑定14% 感知25% 採取23%
称号(タイトル)
【世界の不思議を初めて発見した者】【ゾンビアタック】【ネームドモンスターの初討伐者】【ネズミスレイヤー】【ジャイアントキリング】【サバイバー】【セントリウスの初到達者】【働かざる者(無効)】
所持金:1992AS(アス)』
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