第22話 コツコツ積み上げる
あの犬、おそらくあのタイミング狙ってやってきたな。ちらちら【感知】に映っていたのもタイミングを見ていただけかもしれない。そして弱った所をがぶっとやったと。まあ、あの犬からしたら生き残るのは私じゃなくて熊の方がよかったのかもしれない。食料的な意味でだけど。
そういえばUWWOでは食事とかはどうなっているんだろう。空腹度とかステータスに入っていないし、そもそも私が初めてログインした時から一切食べていないのだけど。その辺は兄に聞いてみればいいか。
あの犬にはやはり復讐する必要があるのは置いておいて、熊と戦って得た物をまとめる。まずアイテム、森熊の大皮1と皮2、森熊の牙2、森熊の肉3、こんな感じ。
討伐確認用アイテムとかはない。レア度は大皮と牙、肉がUcで皮がCとなっている。肉が出るってことはやっぱり食事があるってことなんだと思うけど、その辺がどうなっているかがわからないなぁ。しかし、使い道がありそうな皮がCで肉がUcと言うのはどうなんだろうか。
まあ、獲得したアイテムは現状使い道がないからここまでにして、ステータスの方を確認する。まず、LVが2上がった。あの熊はやっぱり格上だったようだ。スキルの熟練度は移動中に使っていたものも含めて大分上がった感じ。
【血統魔法】が11%に上がったし、【身体能力向上(微)】が15%、【隠蔽】が16%に上がった。戦闘中に使ったスキルもそれなりに上がっているようだ。スキルの上昇とLVアップでステータスも大分上がった。当然LUKは上がっていないのでSTPはLUKに、それとDEXの上りが他と比べて少ないのでこっちにも少し振っておく。SKPは今後どうなるかわからないから保留。
さてどうしよう。朝ログインする段階ではこの時間は日差しに当たって【日光脆弱】の熟練度下げをするつもりだったのだけど、LVが上がったことでデスペナが付くようになってしまったから効率が悪くなった。
ポーション飲みながらやってもいいんだけどその基となる薬草の数は少ないし、一度に2個までしか作れないからなぁ。
いや、飲んだ後にまた作ればいいのか? 使わないでやるよりはいい? 今のHPの総量が265だから7秒で2.65のダメージ。うーん、微妙。直ぐ薬草が尽きることはないけど、今私が作れる下級ポーションは回復量50だ。140秒で53ダメージ食らうと考えると意味はないとは言えないけど。
まあ、やってみるか、薬草はまた取りに行けばいいんだし。
今インベントリに入っている薬草の数は32個。ポーションが16回作れる量だ。これだけだと熟練度は上がらないかも、他ので何か作れないかまた試してみるか。
材料が尽きるまでポーションを作り続け、無くなってからは素直に何度もリスポーンして【日光脆弱】の熟練度下げを続けた。その間に【調合】で作ることが出来たアイテムは前回とほぼ変わらない。ただ、熟練度が5%になった時に結構な数のレシピを覚えた。
覚えたレシピの中には下級解毒ポーションなどの状態異常系解除薬の基本的な物が大半だったけど、問題は微毒液、微麻痺液と言ったなぜこのタイミングでとか覚えていい物なのかわからないものも含まれていたことだ。
その結果出来た物がこちら。
[(アイテム)毒液玉 Re:Uc Qu:C SAS:800]
毒液を内包する団子状の玉。粘着玉で毒液を包み込み、毒液が簡単に外に漏れ出ないように工夫されている。外側は粘着玉で出来ているが製作者の魔力により薄く被膜が施されており、普通に持つ分にはその被膜は破れることはない。この毒液玉は一定の衝撃を加えることで破裂し、内側にある毒液が漏れ出す。その毒液に触れた者は状態異常:毒を付与される。
実はこれ自体のレシピはなかった。覚えているレシピのなかに微毒液のレシピと解毒玉のレシピがあり、そのレシピを見て工夫していたら作れたものだ。大体、こういったレシピは難易度の差はあれど、作り方や材料はそんなに変わらない。
実際、微毒液に使うのは私が持っているデストリマッシュより毒性が強くなさそうな茸だし、他の材料は粘りを出すためのダン木の実だから使う茸を変えるだけで作れないはなかった。だだし、当たり前に製作難易度は高かったので、出来たのは2個だけだった。粘着玉で毒液を覆うのは解毒剤の製作方法にあったのでそれを流用してみた。適性熟練度が足りなかった分、熟練度は多めに貰えたようで【調合】の熟練度は9%まで上がった。
まあこのアイテムがあの犬に効くかわからないけど、とりあえず使えそうだったら使ってみようと思う。
それと毒液を作った時にヘルプが更新された。あの犬のせいで忘れていたけど、微麻痺の説明もあったのでそっちも確認した。状態異常:毒については説明自体は微毒と同じ感じで違うところはスタック1当りのダメージが25になったところ。大分上がったと思うけど現在この状態異常を与えられるのが毒液玉しかないので、これによる恩恵は少ない。
微麻痺に関しては、熊との戦いで合った通りのことが書かれていた。熊の場合はスタック10から効き始めたけど、どうやら敵の種類によってその数値は異なるらしい。
確かにネズミに熊と同じくらいスタックを溜めないといけないというのも、しっくりはしないからなるほどと思った。多分敵の大きさとかLVとかによって数値は変わると思うけど、他の要素もあったりするのだろうか。
それと気づいていなかったんだけど、LVアップアナウンスの前に他のアナウンスが入っていた。それは【弱点特効】とか言う補助スキルの取得が可能になったというもの。
アナウンスがあったタイミングはおそらく熊の首にナイフを突き刺した時だと思うけど、あれがおそらく弱点攻撃になっていたということだろう。
そうなると今までネズミのお腹とかでダメージが上がっていたのは、弱点ではなく単に部位的にダメージが通りやすかっただけなのだろうか。ヘルプの方にその辺りは更新していなかったので詳しくはわからないけど。
それと【弱点特効】については今見られる説明から、弱点の判定が少し緩くなるとかダメージが上がると言った感じのスキルだと判明した。現状単発の火力が低いので欲しいスキルなんだけど、必要SKPが驚異の15と今私が取れるスキルの中でぶっちぎりで高い。次点は【MP回復増加(微)】の10。
一応今はSKP10残ってはいるけど、他にも取った方がいいなと思うスキルもある中で全部これらに使う訳にはいかない。
グネズミーみたいに倒せばSKPとか貰える敵が居ればいいんだろうけど、そう簡単に居る訳ないだろうし倒せるとも限らない。そもそも周りにいるモンスターに比べてLV低い上にネームドだったグネズミーが居たのがおかしいだけだと思う。
いやなんだろう、何かここが初期地点だったプレイヤーのお助け的なモンスターだった可能性も考えられるな。今にして思えばLVが低かったこともあるし、初期地点に近いところにいたから、その可能性が高いかもしれない。
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