第11話 念願のLVアップ
他のことも並行してやりながら【毒魔術】を10回ほど外で試した感じ、発生する霧は1メートル四方から2メートル四方くらいの量が発生しているようだ。ただ、やはり広範囲に広げようとすると霧自体の密度が下がっているのが見て取れた。
霧の移動速度もゆっくり歩くのと同じくらい。発動出来る範囲は大体私の視界内で遠くても5メートルくらいだった。それと、1回だけポイズンミストを私に向かって発生させた。ずっと接触し続けたらどのくらいスタックが溜まるのかを確認するためだ。
本当ならネズミに対してやった方がいいのだけど、さっきやった方法でネズミを捕まえてきてポイズンミストを接触させた時、魔造血液の中に居ると果たして接触したことになるのかがわからなかったのと、ドア付近を【感知】で探った時にドアの近くにネズミが居なかったので断念した。
結果として、ポイズンミストに10秒間接触したら、微毒のスタックは(10)まで溜まった。ただ、スタックは1秒で2ずつ溜まって5秒目には10まで溜まっていたけど、それ以降は溜まらなかった。おそらく今の熟練度ではスタック(10)が限界なのだと思う。最初に事故って食らったダメージと、ネズミの国で使った魔造血液を発生させたダメージもあって、この後に状態異常のスリップダメージにより私はリスポーンした。
そして【毒魔術】の熟練度は3%になった。他の魔術スキルと比べて熟練度は上がりにくい感じ。そもそもMPコストが高いせいで発動回数が少なくなってしまっているのもあると思うけど。
一先ずポイズンミストの検証は済んだ。後は、そろそろ日が昇ってくる時間だから、それまではネズミの王国でポイズンミストを試してみよう。
【血魔術】でやった時のように、ネズミの王国のドアの前で【感知】を使う。どうやら今はドアの近くには1匹、ネズミが居るようだ。ドアの近くに居られるのは失敗したとき危ないから、ポイズンミストを使って倒してもいいんだけど、さっきブラッドの中に捕らえたネズミを倒した時には【短剣術】の熟練度が上がらなかったので、1匹だとしても熟練度上げのためにナイフを使って倒したい。
と言うことで、1回ドアを開けて1匹誘い出してから、すぐにドアを閉じる。そして出てきたネズミと対峙し、飛び掛かってくるタイミングでカウンター的にナイフを当てる。
よしっ、不意打ちでプチパニック状態じゃなければ問題なく当てられる。あの時の不意打ちの恨み晴らさでおくべきか! っと倒せた。ええと、LVは上がってない、【短剣術】の方は、こっちも上がってないかぁ。まあいいか、これはついでみたいなものだし。
扉の近くにネズミが居なくなったのをまた【感知】を使って確認する。うん、さっきからそんなに変わっていない。扉の近くには居ないようだ。
扉をネズミが通れないくらい少しだけ開けて、見える範囲にいるネズミ目掛けて、事前にチャージしていたポイズンミストを発生させる。そこから、周りにいるネズミにもポイズンミストに接触させるように動かしていく。どうやらポイズンミストは発生させる場所は見えていないといけないみたいだけど、その後は見えている必要はないらしいので、今回はそれを利用してより多くのネズミに接触するように動かしていく。
そして見えないけど10秒経ったのでポイズンミストは消えているだろうからドアを閉めて、【感知】でネズミの動きを確認する。ネズミは突然状態異常を受ける攻撃を食らって激しく動いているようだ。どこから攻撃されたかが見えていた一部のネズミはこっちに向かってきているが、ドアは閉まっているのでおそらく大丈夫だと思いたい。
早ければ後10秒くらいで微毒のスリップダメージで死ぬだろうけど、どうだろうか。残念ながらネズミがどのくらいのスタック値になっていたかを確認していないので、最悪1匹も死なないなんてこともあり得るかもしれない。
ん? おお、アイテム取得のアナウンスだ。インベントリに入ったのは、ビッグラット(小)のしっぽが複数。とりあえずちゃんと倒せたようだ。良かった。そしてLVが上がった。念願のLVアップ。ただLV2を飛ばしてLV3になったけど。
一気にLV3になったんだけど、何匹ネズミ倒せたんだろう。一応全部で5匹倒してLV上がらなかったのに、ここにきてLV2も上がったってことは結構倒せていたのかな。インベントリに入っているしっぽの数でわかるかも。前に倒したネズミは全部ドロップしているし、確定ドロップなんだと思う。
インベントリを開いてしっぽの数を確認する。20……28個?そんな馬鹿な。え、ほんとに28個あるんだけど、元あったやつを引くと23個。と言うことは23匹倒したと? 本当に? いや、これだけ倒せていたらLV2上がるのは納得できるから、変ではないんだけど。ただ、ここまであっさり倒せるとは思ってなかったから戸惑いが大きい。
とりあえずネズミの王国の中を確認しよう。感知で中を確認するとドアから少し離れたところのネズミは大分減っていた。しかし、ポツポツ赤い点が残っているので、微毒のスタック値が足りなくてHPが残っているネズミがまだいるのだろう。
これは、もう一度ポイズンミストを使った方がいいだろうか。気になるのは、今感知でドアの向こうを確認した時に、感知できるぎりぎりの場所に今まで見ていた赤い点よりも大きな赤い点が入って来ていることだ。今まで倒していたのがビッグラット(小)だからおそらくビッグラット(中)か(大)だと思うけど、感知で調べられる範囲は私を中心に10メートルだから、ドアから10……いや9メートルくらい離れているはず。
うーん、もう一度ポイズンミストを使って、当てられる範囲のネズミを状態異常にしてから、おそらくビッグラット(大)と思われる少し大きい赤い点の敵を鑑定する。それで倒せそうなら、その後にもう一回ポイズンミストって流れでいいかな。
もう一度ドアを少し開けて部屋の中にポイズンミストを発生させる。そこからポイズンミストを赤い点が多いところに移動させる。その際にポツポツ残ってる赤い点に当てるのも忘れない。
あ、10メートルくらい離れているところにいたデカいネズミが私に気づいて動き出した。
私は直ぐに移動させていたポイズンミストをデカいネズミの進路上に戻し、【鑑定】を使った。そして直ぐにドアを閉める。ドアを閉めた直後に、ゴスッと重たいものがドアと壁の境目あたりに当たった音が聞こえた。ドアはかなり傷んでいるので壊れるかもしれないと一瞬不安になったが、どうやら壊れることはなかったようだ。
何とかなったと、安堵して鑑定結果を見てみる。
[(モンスター)ビッグラット LV:■■ Att:■]
HP:■■■/■■■
MP:■■/■■
スキル:■ ■
おーう。名前しかわからないじゃん。鑑定は出来ているけど【鑑定】の熟練度が足りていなかったらしい。鑑定できる範囲はアバターLVと【鑑定】熟練度+5だったはずだから合計で9、と言うことは最低でもLV10ってことになる。
あのネズミ少なくともLV10か。あ、でも鑑定で出てる■の部分の桁は正しいのかな。LVが2桁で鑑定に出ているところも■は2個だから。そうなるとHP3桁になるのか。ポイズンミスト1回分じゃ倒せないとなると、今回はこれまでかな。感知で見る限り、もう近くにネズミは居ないみたいだし、中に入って使うにもおそらくあのデカいネズミには、私の今持っているスキルと武器じゃ勝てそうもない。それに、外を見ると少し明るくなってきているから、切り上げるにはちょうどいいと思うしね。
そうだ、外に出る前にステータス確認しておかないと、LV上がった分のSTPも振り分けないと。
『ステータス
NAME:アユ
RACE:ヴァンパイア(純血)
LV:3/30 +2
JOB:なし
BC(Belonging Country:所属国):なし
HP:160/160(0)(0) +30
MP:163/190(0)(0) +40
STR:19(1) +6
VIT:16(2) +4
INT:28(0) +7
MND:20(0) +5
AGI:15(1) +4
DEX:18(0) +1
LUK:17(2) +3
STP/SKP:0/7
装備
メイン武器:初心者のナイフSTR+1
サブ武器:なし
生産装備:なし
頭:なし
胴:初心者の服VIT+2
腕:なし
腰:初心者の服
脚:初心者の靴AGI+1
アクセサリー(3):幸運の腕輪(劣)LUK+2
スキル
戦闘:短剣術0% 血魔術22% 闇魔術27% 毒魔術6%
補助:血統魔法7% 身体能力向上(微)1%
生産:錬金0% 調合0%
その他:日光脆弱39% 生活魔法0% 鑑定1% 感知1%
称号(タイトル)
【世界の不思議を初めて発見した者】【ゾンビアタック】
所持金:0AS(アス)』
LUKは上がってないし、DEXも1しか上がってないけど他は結構上がっているようだ。LVが上がってSTPが4手に入ったからLUKに3、他に比べて少し低いAGIに1振り分ける。
そういえば、2回目のポイズンミストでネズミ倒せているはずなのにLV上がらなかったな。あまり倒せなかったんだろうか。インベントリに入っているしっぽの数を確認しよう。
しっぽは…54個。うーん、26匹倒してる。1回目より多いのは、1回目で倒しきれなかったのも含まれているからだろうけど、LVが上がらなかったのは単に経験値が足りなかったからなのか、他に原因があるのか。もしかしたら同じ敵を倒し続けると経験値が減るとか、ずっと同じ倒し方をしていたら経験値が減るみたいなものがあるかもしれない。
さて、とりあえず確認は済んだ。日差しを浴びに行こう。
そして私は夕飯のログアウトの時間まで【日光脆弱】の熟練度を下げつつ、他のスキルの熟練度を上げ続けた。
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